横須賀市は、本年度を横須賀製鉄所(のちの造船所)創設150周年のメモリアルイヤーとし、記念事業を積極展開する。集客を意識したイベントに加え、市民向けの歴史講座や小・中学校での授業などで市民の郷土愛醸成を図っていく。
1865年11月に建設が始まった横須賀製鉄所は、今年創設150年の節目を迎える。フランスの最先端技術を有し、日本の近代化を支えた――と歴史的な価値が重要視される一方で、市議会や歴史研究グループからは、市民への浸透度の低さが課題として挙げられていた。こうしたことから市は昨年度、歴史理解を深めるイベントや講座を通して、横須賀発展のルーツを知ってもらう取り組みに着手。新年度も国の地方創生交付金と新年度予算を合わせて約2億円計上し、集客と郷土愛醸成の2つの観点から事業を展開していく。
目玉としているのは、同製鉄所建設の功労者であるヴェルニー・小栗を顕彰する式典。例年実施しているものをスケールアップして開催する。海上自衛隊観艦式と連携したマーチングバンドによる記念パレードや米基地内に現存するドライドック見学などの企画も実施。記念月間の11月には、文化会館で製鉄所のパネル展を開き、小栗上野介に焦点を当てたコーナーを設ける。終焉の地・群馬県高崎市などと連携した貴重な資料も揃える。
市自然人文博物館では10月末からヴェルニー記念館と連動した企画特別展を開催。製鉄所設計図の原本や幕末・明治初期の写真を展示する。
同製鉄所と関連深い富岡製糸場にも着目。製糸場に横須賀製鉄所のパンフレットを配架する。このほかにも専門雑誌「歴史読本」とのタイアップ企画で、全国の歴史ファンの注目を集める。
次世代に伝える
小中学校では今年度から、製鉄所の歴史を教育題材に取り入れ、郷土意識の醸成を図っていく。郷土史の専門家による出前授業や、歴史小冊子の配布なども実施する。このほか地域のコミセンで関連講座を数多く開くなど、記念イヤーを市民の側からも勢いづかせたい意向だ。
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