横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2015.06.05
グラフィックデザイナーとして数々のロゴマークや校章を手掛けている
奥野 和夫さん
林在住 49歳
尽きないアイデアで量産中
○…小さな町にある学校の校章や、県の事業のシンボルマーク、さらには日本とサウジアラビアの友好記念ロゴなど手掛けてきた作品は多種多様だ。量より質を追い求めるタイプだが、今までデザイン関連で手にしてきた賞の数に関して「4ケタに迫るんじゃないかな」と照れながら話す。
○…幼いころから美的センスはピカイチだった。文化祭などのイベント時にイラストを描いてくれないかと周りの生徒や先生に頼まれるのはいつものこと。夏休みの宿題の絵がなぜか他校の校長室に飾られていたこともあった。そんな学生時代を過ごすなかで必然的に将来は見えていた。「自分の生きていく道はこれしかない―。」迷いなく美術大学のドアを叩いた。その後、工業系やインテリアのデザインを経て27歳で独立した。
○…デザインには「現実を動かす”力”と”責任”がある」と話す。例えば校章には学校の雰囲気や方向性をも導く力がある。だからこそ自分を表現するのではなく「携わっている期間中は当事者の事を誰よりも考えている自信がある」とこだわりを口にする。子どもの環境、地域の文化、創設者の思いなど外からの視点で想像を働かせ、思いを汲み取り、形にしていく。
○…市内を走るゴミ収集車のカラーデザインや吉田市長肝いりの「いのちの基金」のマークも手掛けている。中でも思い入れが強いと話すのが10年前に手掛けた市議会のシンボルマーク。これがきっかけで市と連携した仕事が増え、気付けばたまたま引っ越してきた横須賀は「愛着のある本拠地」になっていた。今や「奥野」の名は業界で知られた存在。自身の分身ともいえるデザインは北海道から九州まで全国で見ることができる。次に目を向けるのは世界だ。「いつか国連本部で個展を開きたい」口調は冗談交じりだが、目は間違いなく本気。「OKUNO」と認知される未来に向かって歩みは止めない。
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