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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2015.06.12

作曲家でピアニストとして活動する傍ら、音楽番組の司会も務める
加羽沢(かばさわ)美濃(みの)さん
市内出身

多彩な活動も成長の途上

 ○…地元横須賀での凱旋コンサート。「楽譜通りに演奏されないことを嫌ったショパンですが、(加羽沢が)名曲を切り刻んでメドレーにして届けます─」。音楽家の素顔が垣間見えるエピソードを曲前にさらりと差し込む。クラシックを奏でる演奏家にトークは不要とされるが、この人のステージは笑いが絶えない。リクエストを募り、即興演奏で客席を楽しませるのはいつものこと。作曲家でピアニスト。この肩書に縛られない自由な発想の持ち主は、クラシック音楽ファンのすそ野を広げるテレビ番組でも進行役を務めるなど、八面六臂の活躍ぶりを見せている。

 ○…ピアノの指導者だった母親の影響で3歳から鍵盤を叩いていた。レコードから流れるラフマニノフの曲に心を奪われたのが4歳のころの記憶。「どんな食事をしたらこんな素敵な旋律が生み出せるのかなって」。以来、公園で遊んだ覚えがない、というほどの英才教育を小学4年生まで受けてきたが、集中力が途切れ、音楽とは一定の距離を置くようになった。

 ○…大津高校時代はポップスの男性デュオに首ったけ。ヒット曲を量産するアーティストの才能に感化され、作曲への思いを強くした。それから10年。藝大大学院在学中にピアニストとしてCDデビュー。クラシックの委嘱作品のみならず映画やドラマ、舞台音楽の数々を世に送り出し、音楽家としての地位を確立した。

 ○…目指していた部分と偶然が折り重なりあい、今がある。「好きを仕事にできた」ことに喜びを感じるが、作曲は自分と向き合う作業で試行錯誤の連続。締切りとの戦いでもある。週の大半は自宅に籠り、夜を徹して挑む。気づけば朝の5時・6時はざら。それでも、音楽家は夢のある仕事だときっぱり。「苦労して生み出した曲や作品は、自分がこの世を去った後も残っていく可能性があります」。そんな希望が原動力になっている。

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