土曜・日曜を学校休業日とする「学校週5日制」が2002年から導入されて10年余り。教育課程が変わり、「脱ゆとり教育」に方向転換している中で、土曜日の活用が進んでいる。横須賀市では、「学力向上プロジェクト」の一環として長期休業日と土曜日に授業を実施。また、放課後サポートティーチャーの学習支援や地域での”土曜教室”など、継続した学習の習慣づけで学力向上を狙う。
土曜日の学習機会充実の一環として、文部科学省は2013年に学校教育法施行規則を改正。公立学校において、地方自治体の各教育委員会の裁量で、土曜日などに授業を実施することが可能になっている。
横須賀市では、「学力向上プロジェクト」に基づき、昨年度から長期休業日と土曜日に授業を実施している。具体的には、2017年までに年間7日間の授業日増を目指しており、長期休業日や秋休みなどを短縮し、かつ土曜日に授業を実施する方向。今年で言うと、小学校では7月21日ないし22日まで授業を行い、8月は26日あたりから始業するというもの。土曜日に関しては、各校の裁量で数校が年に1〜2回程度、実施しているという。ただ「部活動や習い事、地域の行事などもあり、社会に週休2日制が根付いている中で、現実的に困難では」「教職員の負担が大きくなる」といった懸念も根強くある。市教委は、現状ではあくまで試行段階と前置きし、「解決すべき課題を整理し、学校現場の声を聞きながら慎重に進めたい」としている。
継続した学習環境を
その一方で、生活習慣の中に”土曜日の学習”を組み込む動きもある。全小中学校で実施している「サポートティーチャー」による「学力向上放課後教室」では、昨年度から長期休業日と土曜日にも開講。基礎的な知識・技能の定着を図るための補習を行う。
これに加え、今年度からの新規事業として「土曜教室」を実施する。昨年度、長井中学校区で試行していたもので、会場はコミュニティセンター。サポートティーチャーが学習の見守りを行う地域の”寺子屋”のような形態だという。今年度は長井に加え、他地区でも導入が検討されている。また、市教育研究所では年6回の「土曜科学教室」も実施中。小学3〜6年生対象に、外部講師を招いた講座を6月から開始している。教科書に沿った内容ではなく、学びの意欲・関心を高めるのが狙いだという。
土曜日を有効活用し、自主的に補習や学習を行う場所を設けることで、「平日から継続した学びの習慣につながれば」と市教委担当者は話している。
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