ムエタイ選手として活躍し、ジュニアタイトルのチャンピオンベルトを13本持つ 吉成 名高(なだか)さん 吉井在住 14歳
世界に挑む若きサムライ
○…ムエタイの本場、タイで行われた国際試合。同い年のタイ人選手に判定負けを喫した瞬間、大粒の涙がこぼれた。「2ラウンド目までは対等だったのに」―。敵の首を両腕で抱いたまま、膝蹴りを浴びせ続ける技は、相手選手の十八番。対策は講じてきたが、「向こうの方が圧倒的な練習量。技術が足りなかった」。小6から海外での試合を重ねているが、世界の壁は想像以上に厚かった。「課題がわかった一戦。次は必ず勝つ」と瞳に闘志を宿す。
○…37kg、151cmの小柄な少年は、とても”立ち技最強の格闘技”の選手には見えない。幼稚園の時、兄について空手を習い始めたが、体の大きい子には「どうしても勝てなかった」。少しでもプラスになればと両親が勧めたキックボクシングジムで出会ったのがムエタイだ。小4で本格的に始めると、相手との「駆け引き」で勝敗が変わる面白さを感じた。「体格や力技だけじゃないんだ」。守りの体勢から相手の隙を見つけ、一気に攻めに転じるのが得意のスタイルとなった。
○…人懐こい人柄とは裏腹に、負けん気は人一倍。周囲の反対をよそに、「技でなら勝てる」と10kg以上重い選手との試合に挑んだこともあった。対人練習でも「負けるのが嫌」で、納得いくまで相手に食い下がる。ジュニアタイトルのチャンピオンベルトを13本持ち、国内27連勝中と向かう所敵なし。通っているジムの代表者には「彼のためにこのジムを作ったようなもの」と言われるほど、その評価は高い。夢は、今まで日本人が成し得たことのない、タイの2大スタジアムチャンピオンになることだ。
○…浦賀中の3年生。高校に進学するか、一流の技を磨くためタイで経験を積むか、大きな分岐点に立つ。「もっと強くなりたいけど、気持ちは五分五分。もう夏が終わるから、早く決めないと」。今月末には、再びタイへの遠征が決まっている。リベンジを胸に、未来のチャンピオンの挑戦は続く。
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