「横須賀在住の監督による、横須賀を舞台にした”オール横須賀”の映画」。これをキャッチフレーズにした製作プロジェクトが地域で動き出してから2年が経つ。映画監督で脚本家の矢城潤一さん(久里浜在住)を中心に実現の道を模索しているが、資金面と支援体制といった壁にぶつかり、思うように進展できていない。今月3日、こうした状況を打開するためのヒントを得ようと、地域密着型映画製作のパイオニアとして知られる映像クリエイター集団Nakedの三浦修さんを迎えて、矢城監督と公開トークセッションを行った。
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Nakedの三浦さんは、地方発の映画をこれまでに7本手掛けている。プロデューサーの肩書で資金集めから、地域との交渉、製作チームの編成などを担当してきた。一例として挙げた作品が「ふるさとがえり」(2011年)。夢に破れて帰郷する若者がふるさとの現実を目の当たりにしながら、もう一度立ち上がる物語。人口5万人の岐阜県恵那市を舞台にしたもので、合併で誕生した13の旧市長村の良好な関係づくりの材料として映画製作が選ばれた。ここでは、スタート直後から資金難に直面したが、林業が盛んな土地柄を活かし、ボランティアスタッフらと森に入り、伐採した木材を販売するなどして調達。こうした活動を通して製作側と市民の距離を詰め、映画づくりの気運を高めていったという。三浦さんは「地域の熱量が成功の鍵。”巻きコミュニケーション”が大切」と力説した。完成した映画の鑑賞者数は恵那市と周辺自治体で2万人を記録。「映画づくりを通じて新たな人間関係が生まれたほか、ロケ地を訪れる観光客などによる経済効果もあった。過疎化が進む恵那市を10年延命させることができた」と冗談交じりに映画製作の効用を説いた。
矢城監督が構想中の映画はドブ板を舞台に、スカジャンを纏った兄弟が活躍するストーリー。横須賀の”とっぽい”イメージを全国に発信することを目指している。
これを受けて三浦さんは、「横須賀であれば、米海軍基地を巻き込むことができたら話題性抜群。あらゆる可能性を捨てないチャレンジ精神が映画製作には必要」とエールを送った。
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