フランス海軍兵と浦賀住民が温かな交流を結んでいた65年前の埋もれた歴史に光を当てた写真展「フランス海軍が浦賀で過ごした日々」が連日盛況だ。会場の宮政商店裏の古民家に、初日の22日は約200人が来場。5日間で1千人超が足を運んでいる。フランス兵が撮影した浦賀の古い街並みや人々との記念写真を持参して来日している遺族のクリストフ・レジェさんと日仏の新しい民間交流も生まれている。
1950年代、浦賀ドック(当時は浦賀船渠)は、フランス海軍の艦船修理を請け負っており、フランス兵らは一定期間浦賀の街に滞在していた。
レジェさんの亡父は1951年10月にこの地を訪れており、翌年の6月に帰国するまでの9カ月間、浦賀の住民に柔道や日本語を習ったほか、演芸場(共楽館)で日本舞踊を見て楽しんだという。写真は当時の様子を写したもので、その数272枚。展示写真は主催者のメンバーが取材を行い、わかる範囲で解説を加えた。レジェさんも、父が着用していた制服を持ち込んで飾っている。
フランス兵と子どもが一緒に写っている写真も少なくなく、訪れた女性は「5歳の頃の自分が写っていた。船員が被っていた帽子のてっぺんについていた赤いボンボンを覚えている」と懐かしそうに話した。
昨年7月、古い写真を頼りに浦賀を巡っていたレジェさんに、久里浜出身の赤堀愛子さんが手伝いを申し出たことが今回の写真展開催のきっかけ。1年越しの約束が果たされた。
新たに浦賀住民が写真や情報を寄せてくれていることもあり、赤堀さんらは来年の開催も検討している。レジェさんが暮らすソミュール市と浦賀の人口が同規模であることから、民間レベルでの姉妹都市関係の構築なども思い描いている。写真展は今日29日(金)まで。
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