三浦市内唯一の出版社「アタシ社」が今月9日、誰でも気軽に本が読める蔵書室「本と屯(たむろ)」をオープンさせた。場所は三崎下町商店街に佇む旧米山船具店(三浦市三崎3の3の6)。築90年超の趣ある古建築の1階、かつて船具が並んでいた棚には今、様々な本がひしめき合っている。
蔵書室を開いたのは、ミネシンゴさん・三根かよこさん夫妻(向ヶ崎在住)。2人は夫婦出版社としてこれまで、逗子市で美容文芸誌などの雑誌や単行本を手掛けてきた。このほど、三崎へ居を移したことを契機に、オフィスの下階スペースを「町の蔵書室」にした。
小説からエッセイ、写真集、絵本、雑誌やフリーペーパーとジャンルは多岐にわたり、その数約1500冊。「新刊はないけれど、本との出会いの場になれば。ふらっと入ってもらえたら」とミネさんは話す。貸出しは行っていないが、自由に手に取って読むことができる。
今年9月、2日間限定のブックイベントをこの場所で開くと、のべ120人を超える人が訪れた。「2時間近く読んでいた女の子がいて。人って、やっぱり本を読むのが好きなんだなと思った」と再認識するきっかけとなった。
この日、オープンを祝したこけら落としイベントに出演し、歌声を披露した「かもめ児童合唱団」の子どもたちも初めて見る本に興味津々。大人たちに混ざって思い思いに読書を楽しむ様子に、ミネさんは「たとえば学校帰りに立ち寄り、ここで出会った本が今後の人生観を変えるかもと思うと楽しみ」と笑みをこぼす。
蔵書室の向かいには市内で数少なくなった書店の1つが店を構えている。「いずれ三崎をテーマにした本も作ってみたい。版元と街の本屋が向かい合う面白い特徴を活かして、販売の仕組みを作っていけたら」と意欲を語った。
オープンは不定期。問い合せは【メール】mineshingo@atashisya.com
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