地震や火災などを疑似体験することができる市民防災センター「あんしんかん」が今月30日で閉館となる。設備の老朽化や啓発方法の転換が主な理由。次年度以降は、代替の地震体験装置として起震車を導入し、「出張型」に切り替えて啓発活動を続けていく。
市消防庁舎1階にある「あんしんかん」は2002年に防災意識の向上を目的に開館。市内の各自治会の防災担当者など団体を中心に、年間に平均約1万5千人、19年2月までに合計約25万人が来館している。
同館は入場無料の体験型防災学習施設で、震度6の揺れを体感できる起震室に加え、プロジェクターに投影された火を消火したり、煙が充満した通路を実際に避難したり、災害が発生してからの一連の流れを体験することができる。また、疑似体験後に自分のとった行動を振り返ることができるモニターなども設置されている。
市は17年の事業総点検で同館の閉館を発表。オープンから15年が経ち施設が老朽化。装置の故障が目立ち、施設全体の動作を管理するコンピューターのOS(オペレーション・システム)も古く、入れ替えが必要な状態となっていた。更新するには莫大な費用を要するという。
閉館後は、暫定的に庁内各部局の市民対応の場として利用する方針だという。
地域に出向く
来年度からは代替装置として起震車を約3800万円かけて導入する。来館してもらう現状の形から、出張して体験してもらう啓発方法へと転換し、地域の防災訓練やイベントに出向いていく。最初の活動として4月6日(土)・7日(日)に開催される「北久里浜桜・芝桜まつり」に参加する予定だという。
市消防局の担当者は「積極的に地域に出かけていき、引き続き啓発活動を続けていきたい」と話した。
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