横須賀・三浦 トップニュース社会
公開日:2020.04.03
受動喫煙対策
広がる禁煙「吸える場所は」
4月から飲食店など対象に
国の健康増進法一部改正により、多数の人が利用する施設では原則的に屋内での喫煙が禁止となった。4月1日から対象となったのは飲食店やオフィス・事業所、ホテルなど。これに先立ち、昨年7月には学校や病院、行政機関での敷地内禁煙になっている。「望まない受動喫煙の防止」の動きが進む中で、行政や飲食店では対応に迫られている。
平日の正午過ぎ、小川町にある市役所前公園の喫煙所。市役所職員などが一服する姿が見られる。本庁舎の1階市民ホールにあった喫煙ルームは、昨年7月に撤去。周辺で喫煙所のある場所が市庁舎前の公園―ということだ。
これに関して、昨年12月の市議会生活環境常任委員会で大野忠之市議(自民党)は、「近くでは子どもたちも遊んでいる。早くこの状態を改善すべきでは」と質問。今年2月の本会議でも伊関功滋市議(よこすか未来会議)が「市役所前公園での喫煙が、子どもの受動喫煙の危険性を助長している」として市役所敷地に新たな喫煙所を設けることを提案したが、上地克明市長は「現時点では難しい」と答えるにとどまっている。
未成年は立入禁止も
「受動喫煙禁止」の動きが厳格化している中で、この4月からはオフィスや事務所、工場、ホテル(客室除く)、飲食店、旅客運送用事業船舶等は原則「屋内禁煙」になった。
禁煙にしない場合は、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室を設置しなければならない。ただし、経過措置として営業中の既存店で資本金または出資総額が5千万円以下・客席面積が100平方メートル以下―の3点に該当する飲食店に関しては、喫煙可能であるとの旨を示す標識の掲示と市への届け出が必要。また、全ての施設を対象に喫煙可能な室内では、客・従業員とも20歳未満は立入禁止となっており、多くの飲食店は厳しい判断を迫られている。
横須賀市では、市役所前公園や駅前、中心市街地などでの喫煙場所について政策推進部を中心に課題を抽出し、検討を進めていく考え。法律の改正を受け、より厳しい対応をする自治体もある。大阪府の寝屋川市は、子どもの受動喫煙に関し、居宅や自動車内など同じ空間での喫煙を禁止する条例を先月可決。東京都では、既に同様の条例が施行されている。
吸う人吸わない人 双方に配慮 ルール順守の飲食店
若松町の居酒屋「酒蔵お太幸中央店」では4月から、1階に「喫煙専用室」、2階に「喫煙専用室」と加熱式たばこのみ喫煙と飲食が可能な「指定たばこ専用喫煙室」を新たに設けた。
来店客の半数を喫煙者が占めるが、「望まない受動喫煙」をなくすという法律の趣旨に従った。その一方で、店内の分煙を徹底することで愛煙家が安心して喫煙できる環境も整備。喫煙者と非喫煙者、双方のニーズに応えている。
同店では、20歳未満のアルバイト従業員が在籍しているため、雇用確保の面からもルールを遵守し、店舗運営に支障をきたすことを避けたという。積極的な対応で「選ばれる店づくり」を推し進める戦略だ。
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