大衆娯楽の王様であるパチンコのルーツ解明に挑んだ研究成果の集大成として、市内桜が丘在住の杉山一夫さんが自宅の一角を改修して「パチンコ誕生博物館」を開設した。昭和初期につくられた、国内現存最古のパチンコ台をはじめとする杉山さんのコレクションを展示。約50年間存在した手打ち式パチンコ台も60〜70台飾っており、娯楽機器として発展を遂げた歴史的変遷がたどれる。博物館は3月末に完成したが、新型コロナ禍と重なり、現在は開館を見合わせている状態。杉山さんは一刻も早い終息を願っている。
国内現存最古の台展示
ピーク時には30兆円産業とも言われ、多くのファンを持つパチンコだが、誕生経緯はあまりよく知られていない。その解明に情熱を傾けてきたのが杉山さんだ。銅版画家として活動する傍ら、1990年代から独自の調査を開始。資料収集や取材を重ねて2008年に『パチンコ誕生』と題した著書を出版。この中で戦前の日本で流行した「コリントゲーム」を起源とする従来の説を覆し、「ウォールマシーン」と呼ばれる欧米のコインゲーム機がパチンコのルーツであるという新説を提示した。このほか、露天商による商いから昭和の庶民文化として定着するまでの歴史もまとめた。
私設博物館の展示資料は、その時の調査で集めたもの。パチンコ台だけでなく、現存最古の日本製ピンボール、コリントゲームなどもある。杉山さんは全部で100台ほど所有しており、「後世に残すべき産業機械」としてパチンコ業界や公的機関に寄贈を持ち掛けたが、価値を認めてもらえず断念。自前での開設に踏み切った。開館は週末のみ。杉山さんがパチンコの文化史を解説するという。
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