漫画家で自宅での看取りをテーマにした本を出版した たちばな いさぎさん(本名:堀場恵子) 大矢部在住 52歳
「後悔しない人生歩んで」
○…三輪医院で、在宅医療を受ける患者と家族、医療・介護従事者らと治療方針や今やりたいことなど決めるACP(人生会議)を行う地域支援員として働いてきた4年間。本業である漫画家の視点から、看取りに携わる関係者から聞いた話や体験を1冊にまとめた。「大切な人を思いながら読んでほしい」。新著に願いを込める。
○…市内長瀬育ち。久里浜小学校4年の時、松本零士の「トラジマのミーめ」を読み「猫と人の互いに思いやる心に感銘した」と漫画家を志すように。大津高校の同窓会名「たちばな会」からペンネームを取り、19歳で久里浜にあるコーヒー店「サニム」でのアルバイト体験を基にした作品が少女漫画雑誌「花とゆめ」の月例賞を受賞。その後、漫画家のアシスタントを経て、23歳でプロデビューを果たした。
○…「しろいにじの家」で数年前に開かれたゴスペルライブに参加。そこで初対面の千場純院長から突然「在宅患者の物語を描かないか」と提案された。近年リアルな実話を題材にした漫画を手掛けていたこともあり、異分野ではあったが職員として医療現場に身を置いた。1年が過ぎた頃、母の膵臓癌が発覚。必死の看病もかなわず、2カ月後に息を引き取った。「看取る際に初めて福祉・介護の現状を知った。元気なうちにもっと話し合って準備しておけばよかった」と後悔が残り、本の執筆を決めた。
○…漫画家、地域支援員、大学のイラスト講師と”トリプルワーク”をこなす忙しい日々。一人娘は社会人になり、現在は夫と2匹の愛猫と暮らす。今後は介護をテーマにした漫画本を出すことが密かな夢だ。「人は死に直面した時に初めて生を再確認する。私の本で多くの人が後悔のない人生を歩んでもらえれば」
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