走り高跳びの選手として日本陸上競技界で活躍してきた 高張 広海さん 岩戸出身 33歳
限界に挑んだ日々に感謝
○…2010年アジア大会準優勝を筆頭に、日本選手権で3度の優勝歴を誇るスーパージャンパー。岩戸中で走り高跳びを始めて20年。引退の場に選んだ場所は「始まりの場所」でもある不入斗公園陸上競技場。「これから活躍する中高生に希望を持ってもらえるような姿をみせたかった」。多くの後輩たちに見守られる中、華々しく第一線を退いた。
○…陸上を始めたきっかけは野球のトレーニングのため。周りよりも高く跳べ、ポテンシャルを感じたことから中学2年で陸上一本へ舵を切った。恩師から「絶対に日本一になれるよ」と背中を押され、大学でも競技を続けた。真面目な練習姿勢に加え、指導者やライバル、仲間に恵まれたことで急成長。全国大会12年連続入賞など、「日本陸上に高張あり」と世に名を知らしめた。だが「いつの間にかすごいことに」と本人は至って控えめ。日々練習を重ね、ひたむきに世界の高みを目指し続けた。
○…30歳を迎え、現役アスリートとしての終着点を考え始めた。学生時代から見守り、応援し続けてきた市陸上競技協会の中川哲理事長に「引退するときはお世話になった横須賀で」と相談。今年開催予定だった東京五輪の代表落ちとコロナ禍での延期で引退を決意し、花道を飾った。
○…物腰柔らかで温厚だが、プレー中は一変。内なる闘志を秘め、一流選手としてのオーラを纏う。だが今は「五輪に一番近い選手」という長年のプレッシャーから解放され、晴れやかな表情。今後は経験を生かし、横須賀から五輪選手が生まれるよう、後進育成への道も視野に入れる。「ライバルは自分、称え合うスポーツ。理由なく感動できるのが陸上」。言葉数は少ないが、その一言の重みは別格だ。
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