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横須賀版 公開:2020年12月25日 エリアトップへ

コロナに翻弄、変化が加速 紙面で振り返る横須賀の2020

経済

公開:2020年12月25日

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 東京五輪・パラリンピックや浦賀奉行所300周年に向けた機運の高まりとともにスタートを切った2020年だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で状況は一変。緊急事態宣言に伴う外出自粛や休校、イベントの中止・延期など、予想だにしない事態に市民が翻弄された1年となった。その一方で、テレワークの普及やオンライン活用、宅配・テイクアウトの需要増など、新しい動きも見られた。紙面で紹介した話題から激動の年を振り返る。

行政

 「コロナ」という言葉が広がり始めた2月、上地克明市長は感染拡大を食い止めるため、市主催のイベントを6月末まで中止・延期すると発表。その後、期限は今年度まで延長となった。

 新港町の横須賀市救急医療センター駐車場に4月、県内でいち早くPCRセンター検査場が開設。11月には米が浜通の横須賀共済病院にも2カ所目、市立うわまち病院には小児用センターも開設され、「横須賀モデル」を確立した。市独自の市民2千人を対象にした抗体検査も行われた。

 コロナ禍に伴い、ITツールとサービスが存在感を高めた。市はコロナ関連情報や災害、子育てなどについて発信する市公式LINEを8月にスタート。市民への迅速な情報提供だけでなく、職員の業務効率化にもつなげている。認知症で行方不明になった人の情報などのLINEアカウントも開設された。また、市はテレワーク拠点整備等の検討事業費を計上。現在、都内企業のテレワークセンター誘致などの調査を実施している。

 来年7月に就航予定の横須賀港―北九州港のフェリー航路に関して、港運事業者や近隣住民から不安や反発の声があがった。田中茂副市長は「地域への説明が不十分であったことを申し訳なく思う」と謝罪したが、市と港湾事業者との溝は埋まっていない=【1】。

 サッカーチーム「横浜F・マリノス」の練習拠点整備に関する工事のため、「久里浜1丁目公園」が今月に閉鎖。23年5月の完成を目指している。

 市とNTT東日本、NTTe―Sportsが連携協定を結び、話題の新ジャンルである「eスポーツ」を軸とした地域振興に取り組むことを発表。民間では普及活動に努める団体「横須賀市eスポーツ協会」を、浦賀中学校2年生の萩谷飛元さんが設立した。

 浦賀警察署が建物の老朽化や耐震性の問題などで、久里浜1丁目に新築移転され=【2】=、旧庁舎は「仮設交番」として利用されている。

 住友重機械工業(株)旧浦賀工場内レンガドックを含む周辺部の土地が市に無償で寄付されることが今月発表され、来年3月末の締結を目指す=【3】。

教育・子育て

 4月に大楠高校が横須賀明光高校と統合し、横須賀南高校に。閉校前、生徒は思い出作りに花壇や階段、図書室の壁面に記念アートを制作。校舎や土地の活用方法はまだ決定していない=【4】。

 小学校の休校に伴い給食が休止したことを受け3月、市は行き場のない食材をフードバンクに提供。これを使って、市内の子育て支援団体が、休校期間中の子どもに無料で弁当を振る舞った。

 また、休校中のオンライン学習への注目が高まったことを受け、小中学校の児童生徒に1人1台のPC・タブレット端末を今年度中に導入することを市が決定した。

 小学校全校の修学旅行中止が7月に決まり、それに代わる思い出作りの場を各地区の有志が用意。浦賀・鴨居地区では、地域の歴史と自然に親しむことのできるプログラムを5校(鴨居・小原台・浦賀・大塚台・高坂)で実施した=【5】。

経済・産業

 昨年3月に閉店した本町の商業施設「ショッパーズプラザ横須賀」が「コースカベイサイドストアーズ」に。4月から段階的にオープンしていった。

 「千代ヶ崎砲台跡」の保存・活用を進める市に対して、エリア南側の堡塁部分を所有する民間事業者のファーマシーガーデン浦賀が官民連携に向けた運用を求めた。

 猿島航路の(株)トライアングルが、猿島を訪れる人や「第二海堡上陸見学ツアー」の参加者を迎える新拠点「三笠ターミナル」を開設した。

 5月には「さいか屋横須賀店」が2021年2月に閉店することが判明。しかし、市民から撤退を惜しむ声が多く寄せられたため、11月には市内で営業を継続すると改めて発表された=【6】。

 米大統領で当選したジョー・バイデン氏の名を冠した「バイデンバーガー」が本町の飲食店「TSUNAMI」で発売され、話題となった=【7】。

 コロナ禍で売上減に悩む飲食店は、テイクアウト・デリバリーに販路を見出した。地元事業者は、宅配を含めた代行業務を請け負うサービスを開始。市は事業者支援としてキッチンカーの導入を後押しした。また、追浜地区では事業者が、「駅」をキーワードにオリジナルの弁当を販売するなどの動きも見られた。

 経済回復と家計支援のため市がプレミアム率最大33%の「よこすか『地元のお店』応援券」を発行。17万6千冊が完売し、家計を温めた。

 市とYRP、民間企業が連携し、乗り物や移動の技術にIoTを活用することで横須賀が抱える社会課題の解決策を探る取り組み「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」が進展。乗継ルートや介助内容を利用者と交通機関が共有する専用アプリ開発や、猿島の無人運航船=【8】=、物流業界で深刻化する不在配送問題の解消に向けた実証実験が行われた。

スポーツ・文化

 中高生の全国大会が軒並み中止になったが、代替大会などで結果を残す選手もいた。

 独自に設けられた高校硬式野球県大会で三浦学苑高校が夏の公式戦で初の4強入りを果たした。

 湘南学院高校ゴルフ部が、関東ゴルフ特別大会に出場。個人では林恭平さんが5位の結果で全国大会へと進んだが、2回戦負けを喫した。

 全国中学陸上競技大会女子200mで大津中3年の税田ジェニファー璃美さんが2位に輝いた。

 湘南学院高校女子サッカー部が、4年ぶりに関東大会を突破。来年1月3日から全国大会に出場する=【9】。

 鴨居在住の大橋泰慧さんが、関東高等学校新人自転車競技大会で優勝。3月に行われる全国高校選抜自転車競技大会へと駒を進めた。

 田浦町在住の須長由季選手がウインドサーフィン女子五輪代表に内定。しかし大会は延期され、活動費捻出に苦慮。市民から約500万円の寄付が集まり、来年から本番への準備として海外遠征などを行っていく=【10】。

 表現の場を失ったアーティストが配信技術などを駆使し、文化の灯を絶やさないための活動が目立った。シニア劇団「よっしゃ!!」は2月に旗揚げ公演を成功させたが、その後はリモートで稽古。動画配信用の舞台を収録し、年度内に県のホームページにアップされる予定=【11】。

 よこすかの音楽家を支援する会は、「歌声の会」を歌詞付きでWEB配信=【12】。イベント「ヨコスカ街なかミュージック」も市公式YouTubeチャンネルで今も配信されている。

 京急バス「峯山」停留所のバス停看板に、横須賀総合高校美術部の岡山奈央さんのデザインが採用された=【13】。
 

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