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横須賀・三浦 コラム社会

公開日:2021.01.22

あなたのエピソードでつづる|おもひでの「さいか屋横須賀店」

  • 後ろに見えるのはメリーゴーランド

「初めて食べたチョコレートパフェ」



 写真は1963(昭和38)年、屋上遊園地での1シーンです。



 「1回10円」と書かれたキリンの遊具には、それぞれ「さち子さん」「みさ子さん」「ひで子さん」と名前がついているのが、今となっては可笑しいです。一番右の子が私。写真を撮った後に、すぐ近くの売店で瓶製のヨーグルトを食べた記憶があります。これがとっても美味しかった。



 当時、三崎に住んでいた私たちの家族。一人っ子だったこともあり、母の聖ヨゼフ病院通いの為に、度々、横須賀に連れてこられました。まだ電車が三崎口駅まで開通しておらず、バスで横須賀中央へ。とても長い道のりだったことを覚えています。「病院が終わったらさいか屋のチョコレートパフェね!」という母の約束を胸に、子どもながら我慢して待ちました。退屈な1日がかりの病院を終え、急坂の上からさいか屋へ向かう時のワクワクした気持ちは、今でも忘れません。



 思えば、チョコレートパフェを初めて食べたのも、お子様ランチの旗を初めて見たのも、リカちゃん人形を初めて手にしたのも、みんなさいか屋でした。階段の踊り場に有料の鉄の体重計があって、30円位入れると、固い紙に印字されて出てきて、良い記念になりました。三浦半島に昔から住んでいる人は、今でも何かあればさいか屋。そんな私たちの生活に溶け込んだお店が閉店と聞き、悲しくなりましたが、営業継続に安堵しました。母はすでに亡くなりましたが、今では私が孫を連れて通っています。



 さいか屋”大好きっ子”だった女の子は、時代とともに、さいか屋”大好きおばあちゃん”になりました。これからも、私たちの暮らしに寄り添ったお店であってほしいです。



《葉山町堀内在住/杉山育子/59歳》

 

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