横須賀・三浦 トップニュース教育
公開日:2022.03.04
観音崎自然博物館
県内絶滅昆虫 再び発見
浦賀中生と3人で論文発表
神奈川県内で絶滅種とされてきた水生昆虫「カミヤコガシラミズムシ」が観音崎周辺で再び発見された。発見者は同館学芸員の佐野真吾さんと同館「ジュニア生物調査隊」所属の亀岡讓さん(浦賀中1年)と矢口孝太郎さん(同)。このほか絶滅危惧種など8種も発見。千葉県での調査も踏まえ、「房総半島から三浦半島へ昆虫が飛来している」とする学説の根拠が強まり、今後の昆虫研究や保全活動の可能性が広がった。
発見された場所は2018年から21年にかけ、同館敷地内のビオトープや屋上プール、観音崎公園内の水辺など。絶滅種とされた「カミヤコガシラミズムシ」のほか、絶滅危惧IB類に分類される「シマゲンゴロウ」、県東部で急激に減少している「コシマゲンゴロウ」、準絶滅危惧種に判定されている「コガムシ」など7種と、絶滅危惧IA類の「ネアカヨシヤンマ」と準絶滅危惧種「カトリヤンマ」2種の幼虫。いずれも全長数ミリから1センチ程度と小さく、一般の人には種の判別が難しい。その条件下で3人はきめの細かい網を使い、一つひとつ地道に調査してきた。
亀岡さんと矢口さんが所属する「観音崎自然博物館ジュニア生物調査隊」は自然や生き物に興味のある小学生を対象に、県東部の水生生物の生態調査や保全活動、勉強などを行っているグループ。21年度から「中学生の部」が新設され、2人は「小学生の部」から昇級したいわば1期生だ。毎月行われている調査隊としての活動に加え、「生き物好き」が高じて放課後や休日を活用し、個人的にも博物館を度々訪れては網を片手に調査活動を行っている。
保全活動の一助にも
ゲンゴロウやタガメなどの水生甲虫類・水生半翅類を専門的に調査・研究している佐野さんは今回の調査結果について、3人連名で論文を発表。佐野さんは三浦半島で単発的に記録される水生昆虫が房総半島から飛来している可能性について、「これまでは記載の一部で述べられているに過ぎなかったが今回の発見により、7種の内6種が観音崎周辺の三浦半島に確実な生息地が存在しないこと、房総半島との近い距離や間を阻むものがない立地条件、台風時に出現したことなどを踏まえ、その根拠が強まった」と評価。亀岡さんと矢口さんは「目にしたことがない種類を見つけ、佐野さんからも絶滅種や危惧種と認められた時はすごく嬉しく盛り上がった」と振り返る。「これからは水生生物の新産地(新たな生息地)を探り当てたい」と亀岡さん。矢口さんも「県内や三浦半島でまた貴重な種類の生物を発見したい」と気持ちを新たに意気込む。
見つかった昆虫類は館内で標本展示されており、今後は3人が登場する同館公式YouTubeチャンネルでも紹介予定。
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