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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2022.09.23

市立工業高校の「歴史を保存する会」会長で、記念碑を建立に尽力した
森田 常夫さん
三春町在住 81歳

「市工の心」胸に秘め

 ○…創立100年の翌年、2003年に閉校した母校を懐かしみ、「歴史を継ぐモニュメントを建立しよう」と卒業生有志と声をかけあい、このほど完成した。「同窓会もなくなってしまったが”この学校があったこと”を刻むことができれば嬉しい」と話す。

 ○…大工の棟梁だった父親の思いを汲み、「市工」の建築科に進学した。進路で薦められたのは、意外にも横須賀市の職員。技術職ではなく事務職での入職だった。転機は21歳の時。国による「青年海外派遣団」に市から推薦され約2カ月間、東南アジア各国の青年団体などとの交流や視察に赴いた。「中学生の頃からジュニアリーダーズクラブや子ども会の指導、ボーイスカウトに関わっていた経験がここで広がるとは」と振り返る。帰国後の辞令は福祉事務所の児童係。その後も、青少年に関わる部署を担当し「わが意を得たり。地域活動の積み重ねが、役所の一員として大きく活きた」

 ○…公務員に異動はつきもので、市営住宅の建て替え業務やごみの埋め立て処分場など、市民への説明や交渉に頭を悩ませることもあった。それでも「誠意をもって話す。これはどんな場面でも大切な公務員の姿勢」と学んだ。助役・副市長として市長の右腕となり、「工業高校で学んだ私の経歴は、行政職員としては珍しいタイプかも」と笑う。

 ○…12年前から、春光学園の理事長を務めている。これはかつて、青少年問題の協議会に関わっていた縁から。「市工の恩師しかり。人生の分岐点に必ず後押ししてくれる人がいる」。いまは、これまでの「経験」を地域に恩返しする時。市工の教育目標「人間味豊かな工業人の育成」を体現しながら、街と人を耕し続けていく。

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