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横須賀・三浦 トップニュース文化

公開日:2022.11.18

「スカジャンはアートだ」
横須賀美術館にずらり140点

  • 《YOKOSUKA Dragon》(部分) 1946年テーラー東洋(東洋エンタープライズ株式会社)蔵

 戦後、日本に滞在する米兵のスーベニア(おみやげ)として誕生した「横須賀ジャンパー(スカジャン)」。横須賀の基地文化をけん引した、大胆な絵柄の刺繍を施したジャケットは、今や世界のファッションシーンから注目されるようになった。その歴史背景や刺繍に着目した「PRIDE OF YOKOSUKAスカジャン展」が11月19日(土)から横須賀美術館で開かれる。会期は12月25日(日)まで。

 和装由来の龍や虎、アメリカを象徴する鷲などの刺繍が入った「スカジャン」。戦後すぐ、国内の米軍基地内やその周辺で売られていた「スーベニアジャケット」と言われたもの。日本人のアメリカンカジュアルへの憧れやヴィンテージブームもあり、70年代以降、国内でもドブ板周辺などで一般に販売されるようになると「横須賀ジャンパー(スカジャン)」の名称でファッションアイテムとして定着した。

 今回の企画展では、「日本で生まれた唯一の”洋服”」として、戦後すぐからスカジャンを手掛けるテーラー東洋(東洋エンタープライズ(株))の貴重なヴィンテージ・コレクション約140点を紹介しながら、スカジャンの魅力を発信する。1946年に制作され、今回初公開となる「YOKOSUKA Dragon」や、希少なハンドプリント(手捺染(てなっせん))のほか、現代のファッションシーンの「スカジャン」の立ち位置として、世界のハイブランドが手掛けた作品も展示される。

 また、スカジャンを彩る「刺繍」にも注目。細やかな色彩と立体的な表現を生み出す「横振り刺繍」を扱うアーティストの作品も紹介する。出展するのは、「横須賀刺繍職人」として活動する田沼千春さんのほか、大澤紀代美さん、NUICOさん、OZAKI FUMINAさんの4人。

「基地文化」辿る

 1950年代、ドブ板通りには「SOUVENIR STREET(土産物通り)」の看板が掲げられていた。横須賀に寄港する米兵や関係者で賑わう中で、スカジャンをはじめとする土産品を扱う商店が多く軒を連ねていたという。会場では、当時のドブ板の写真や資料、スカジャン以外の米兵向け土産などを紹介しながら、基地文化の発展と変容を紐解いていく。

 関連企画として、11月26日(土)に「シーサイドジャズコンサート」、12月3日(土)にはスカジャンの柄と刺繍の解説と横振りミシンの実演見学会も行われる(要事前申込)。詳細・問い合わせは【電話】046・845・1211

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