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横須賀・三浦 トップニュース社会

公開日:2022.12.23

猿島周辺海域
ブルーカーボンを調査せよ
民官連携で共同実施

  • 海中のCO2濃度を計測する。猿島沖のワカメ養殖場で

 猿島航路を運航する(株)トライアングル、長瀬に拠点のある国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所、横須賀市の3者は12月15日、東京湾の猿島付近の「ブルーカーボン」に関する調査を共同で実施することを発表した。地球温暖化や気候変動の要因と考えられる二酸化炭素(CO2)の吸収源として注目されるブルーカーボンの働きや、ブルーカーボン生態系と呼ばれる藻場(もば)の形成状況などを確認する。

 陸上の植物が光合成によって大気中のCO2を吸収するように、海草や海藻などの海洋生物も同様の働きをする。

 国土交通省港湾局のデータによれば、人々の活動で年間94億tの炭素が大気中に排出される中、陸上の森林などの植物による炭素の吸収は約19億t、海域では約25億tでこのうちの約10・7億tが海草や海藻のある浅い海域のブルーカーボン生態系で吸収されているという。海に囲まれた日本はブルーカーボンの宝庫であり、気温上昇を抑える切り札として注目が高まっている。

 猿島周辺は海藻類が生息していることに加え、ワカメの養殖が盛んなため調査が行われることになった。三笠桟橋付近と猿島桟橋付近で海中のCO2濃度を比較するほか、猿島航路で使用している渡船、または島内で使用している発電機等から排出されるCO2の量がブルーカーボンの吸収量とオフセットの関係になるかを検証する。今回の取り組みの発信を横須賀市が行い、ブルーカーボンの有用性などを広く伝える。調査結果は来年秋ごろの公表を予定。トライアングルでは、猿島で行う環境学習に取り入れるという。

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