横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2023.02.24
「建築とび工」として厚労省の「現代の名工」に選ばれた
米田 實さん
久比里在住 79歳
「残らない仕事」に矜持
○…建築とび工として厚生労働大臣から、現代の名工「卓越した技能者」の表彰を受けた。難度の高い「重量とび」等の施工実績に加え、技能五輪の競技委員長や国・県の検定試験の責任者を長く務めていることが評価された。
○…「とび」の仕事は建設現場で足場や鉄骨などを組み立てる技術職。重量物の搬入・据付に関わるのが「重量とび」だ。「本工事のための”段取り”が私たちの役割。建物が完成してしまえば、仕事が目に触れることはない」。いわば縁の下の力持ちだ。市内では、ヴェルニー公園整備の際に逸見波止場衛門を数メートル移設する作業などにも関わっており、「地元の企業として必要とされる場所に貢献できれば」と話す。
○…愛媛県出身で大学進学のため上京。「文系だったけど数学だけは得意だった」。大手建築会社に就職したが、妻の親族の会社(小川組)に「とび見習い」で転職。厳しい現場仕事に骨身惜しまず打ち込み、技術と知識を積み上げていった。今では、足場が組みづらい・クレーンを使えない場所で、”頼みの綱”として作業を任されることも少なくない。樹齢700年余、数百トンもの御神木の移動などスケールの大きい特殊作業も多く手掛け、「どうやったら安全に、移設や足場の設置ができるか。あれこれ頭をめぐらせているとパッとひらめく。職人としての矜持と好奇心かな」と笑う。
○…会話でふと出てくる松山の伊予弁。独特の柔らかい語尾に人柄が滲む。最近では年に数回、故郷へ足を伸ばし、友人と交流する時間も楽しんでいる。今年、傘寿を迎えるがまだまだ現役。「自分たちの技術で、できることを考える」。後進の育成に力を注ぎながら、現場に赴く。
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