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公開日:2023.06.16

「湘南漁協」来年発足へ
大楠など3市1町で合併

  • 合併後の新体制では本所機能を兼ねる大楠漁協

 横須賀市大楠、藤沢、鎌倉、葉山の3市1町の漁協が合併し、来年1月1日に新たに「湘南漁業協同組合」が発足することが6月12日までに関係者への取材で分かった。准組合員を含む組合員数は昨年末時点で368人にのぼり、県内ではみうら(三浦市)、三和漁協(同)に次いで3番目の規模になる。組合員の高齢化や漁獲量の減少など漁業を取り巻く環境が厳しさを増す中、持続可能な運営体制を整える。

 合併するのは横須賀市大楠、藤沢市、鎌倉、葉山町の4漁協。県によると過去10年間では2017年の大磯町、二宮町両漁協の合併などに続いて4件目となる。

 佐島にある横須賀市大楠漁協の正組合員数は現在約100人。高齢化や後継者不足でその数は右肩下がりで、水産業協同組合法では20人未満となった時点で法定解散が定められていることから、「5年先、10年先を見据えての合併。危機感を持っている」と同漁協事務局長の利波之徳さんは話す。

 残る3漁協とも現状は20人を上回るが、年々減少。さらに近年、新型コロナ禍で打撃を受けた若手漁業者が離職するケースも散見されるなど、将来的な組織の存続が課題となっていた。

 そこで県や県漁連が主導し、19年から相模湾沿いの漁協関係者を対象にした勉強会を開催。21年からは協議会を立ち上げ、実務レベルでの調整を進めてきた。3月末までに4漁協が合併に合意したという。

 湘南漁協発足後は各漁協は「支所」とし、本所を大楠漁協が兼ねる。漁業権は各支所に帰属するものとし、従来通り漁場を管理する。

 今回の合併について、県水産課は「組織の継続的な運営が第一義」とした上で、「新たなブランド作りや漁業者間でのノウハウ共有、磯焼けなどの地域課題にも一体的に取り組むことができるなど広域化ならではのメリットがある」と説明。利波さんも漁業の担い手不足の解消には「安定的な収入確保が不可欠。これから具体的な方策を協議していく」とした。

 関係者によると4漁協に加え、将来的に合流する意向を示している漁協もあるという。

 今後は組合設立委員会で最終調整を進め、年内にも県に認可を申請。来年1月1日から新たな組織体制をスタートさせる。

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