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公開日:2023.06.30
メロン愛した父の遺志継ぐ
林の井上さんがブランド化
横須賀市林の井上農園では、三浦半島のご当地品種である「くるめメロン」のおいしさを広く伝え、認知度を高めようとブランド化に取り組んでいる。「よこすか潮風メロン」と命名し、横須賀の風土や生産ストーリーとともに発信。このほど市のふるさと納税返礼品にも登録され、全国区のブランドメロンへと育てる一歩を踏み出した。
高糖度でとろけるような肉質が特徴のくるめメロンは、三浦半島以外の地域ではほとんど作られていないという”知る人ぞ知る”ネットメロン。井上農園でも有機肥料100%と地元牧牛の堆肥を使用し、糖度15度以上になるまで畑で完熟させる農法で、1シーズン2500〜3000個を生産している。
同園を切り盛りする井上徹也さん(27)は7代目で、メロンは先代の父が30年ほど前に栽培を始めた。「たまに手伝う程度で、もともと継ぐつもりはなかった」。病に倒れた父がメロンを楽しみに待つファンを思い、闘病生活の最中も畑作業に心血を注ぐ姿を見て就農を決意。残された時間、少しでもノウハウや情熱を吸収しようと入社予定だった企業の内定を辞退し、大学も中退して22歳で農業に飛び込んだ。
名産の火、絶やすな
父亡きあと、「同じ味を作らなければ」と気負い過ぎて失敗も経験。「地元の農家の先輩から『自分なりのやり方でいい』と言われて吹っ切れた」と振り返る。
メロンは雨や病気に弱く、色ムラ・日焼け・野鳥対策など手間暇がかかる。農家の高齢化や生産作物の多様化などを背景に、林周辺でもメロンを生産する農家が減少傾向にあるという。「ここで絶やすわけにはいかないと思った」
「自分なり」を模索する中で思い至ったのが、ブランド化だった。茨城や北海道、静岡などメロン産地は全国に多数あるが、「横須賀でも栽培していることをもっと多くの人に知ってもらおうと考えた」と話す。
ブランド名は「よこすか潮風メロン」。海から吹くミネラル豊富な潮風、温暖な気候、肥沃な大地で育まれる”メイドイン横須賀”の露地メロンを表現するネーミングにこだわった。併せて、パンフレットや化粧箱もブランドの核となる海とメロンを描いたデザインに生まれ変わった。
今年4月、市農水産業振興課に企画書を持ち込み、今後の展開のアドバイスを求めたところ、ふるさと納税返礼品への登録を勧められ、全国へ広める足掛かりを得た。
まもなく収穫
6月16日にふるさと納税ポータルサイトに掲載されて以降、徐々に注文が入り始めている。大雨に見舞われたこともあったが、今年の出来は上々。「日々メロンと向き合い、情熱を注いできた。そんな思いも感じておいしく食べてもらえたら」と笑顔を見せた。
今シーズンは7月上旬から中旬に収穫予定、贈答用は2玉5千円(送料・税込)で販売する。
詳細は井上さん【携帯電話】080・6555・1028
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