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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2023.11.24

市井の人の半生を描いた『七人』を上梓した
宮田 和彦さん
根岸町在住 64歳

「摘出」する人の魅力

 ○…「文章でしか表現しえない人の魅力がある」。久里浜にある「宮田犬猫病院」を経営する傍ら、執筆活動にも精を出す。このほど上梓した『七人』では横須賀市にゆかりのある人物7人の半生を描いた。

 ○…”文章”との出会いは高校進学後。進路や人生に悩み、小説の世界に助けを求めた。そこで出会った文学の奥ゆかしい表現や、如実に心情を表した言葉の数々に心を打たれた。北海道の酪農学園大学に進学後も本の世界に浸り続け「なぜこれだけ人の心を言葉で表せられるのだろう」と、時にはその感動を友人に半ば無理やり聞かせるほどの心酔ぶりだった。

 ○…本格的に筆を走らせたのは「県立横須賀高校OB合唱団」に入会していた26歳の時。「どうせやるならちゃんとやろう」とそれまでないがしろにされていた同会の会報に取り組んだ。その後は神奈川県獣医師会に所属し、ここでも会報を担当。同会の医師の素顔に迫る「この人が素敵」のコーナーで周囲から好評を得た。1991年に現在まで続く動物病院を開業後も執筆の熱は冷めなかった。ある時、兄弟ピアノデュオ「レ・フレール」の斎藤守也さんからライナーノーツ作成の依頼を受けた。約12年ほど付き合いがあったが、人となりや魅力を正確に伝えるために録音現場にまで足を運び取材を行った。この経験が『七人』執筆をスタートさせる決め手となった。

 ○…『七人』の取材では取材対象者に決まって「私でいいのか」と聞かれた。しかしそういう人にこそ内包する魅力があり、それを引き出すことが自身の役割だと自負する。「魅力のある人は身の回りにたくさんいるということを知ってもらいたい」と文章を通じて誰もが持つ「輝き」のようなものを顕在化していく。

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