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公開日:2023.12.22

回顧 ヨコスカ2023
〜紙面から振り返る1年〜

< 新型コロナウイルスが5類に移行し、イベントや行動に対する規制が取り払われた2023年。横須賀市内では、アート・スポーツなどの分野で発信や連携が多い年となった。市は「ChatGPT」「メタバース」といった新分野にも着手するなど、新しい動きも見られた。紙面で紹介した記事から横須賀の1年を振り返る。

政治

 統一地方選の前半戦、任期満了に伴う神奈川県議会議員選挙が4月9日に投開票され、元市議の自民党・田中洋次郎氏がトップ当選。8回目の当選となった自民党の竹内英明氏、公明党の亀井貴嗣氏、無所属の永井真人氏が続いた。竹内氏は6月20日に死去したため、次点の共産党の井坂新哉氏が繰り上げ当選した。

 後半戦の横須賀市議選は、自民が改選前よりも2議席増の14議席を獲得。新勢力の維新は横須賀市議会初となる2議席(広仲信太郎氏、安川健人氏)を確保。自民党が市議選で初めて擁立した女性候補として高橋泉氏を始めとする新人議員が当選するなど、県議選、市議選ともに世代交代を印象付けた。

 「コロナからの横須賀再興予算」とした市の新年度予算案で小児医療費の無償化を18歳の年度末まで引き上げる事を発表、10月からスタートした。

 目新しいところでは、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した観光事業に5千万円を計上。「メタバース」上にドブ板通りと三笠公園をイメージした空間をオープン。12月5日時点でのワールド訪問者数は約2万6千人と滑り出しは好調だ。11月からは市民向けにデジタルコンテンツ作成の無料講座を開講するなどメタバースを活用した地域振興のはじまりの年となった。

 2021年に大幅増加したふるさと納税寄附額の体制強化を図るために「ふるさと納税企画担当課長」や民間の専門家「ふるさと納税アドバイザー」を4月から配置。「はねっ娘枝豆」や林にある井上農園で作られる「くるめメロン」といった横須賀ブランドの野菜・果実などが新たに加わり、4月当初は262品目 66事業者だったものが12月11日時点で572品目、85事業者にまで増大した。寄附額は昨年の上半期(4月から9月)と比較して896%、約1億4千5百万円と大幅に増加した。

 業務の効率化とDX化を進める中で4月、全国の自治体に先駆けて対話型人工知能(AI)の「ChatGPT」を市役所庁内で試験導入した。11月には活用の中で得られた好事例やスキルの向上を目的とした「ChatGPT活用コンテスト」を市職員を対象に実施。庁内や他の自治体に共有していく。

経済・産業

 稲岡町の三笠公園に展示保存されている記念艦三笠の修繕工事が2月に行われた。防衛力の増強を掲げる政府が今後5年間で防衛費を増大する閣議決定をしたことで、三笠の修繕費用も大きく盛り込まれる見通しとなった。

 「横須賀サブカル娘プロジェクト」が2月に始動。オリジナルキャラクターを生み出し地域振興に繋げようと民間団体のサブカル活用推進委員会と一般社団法人横須賀市観光協会がタッグを組んだ。10月からタクシー会社がサブカル娘の特別ラッピングを施した観光タクシーの運行と周遊企画を実施している。

 横須賀の新たな土産を生み出すことを目指した「横須賀おみやげアイデアコンテスト2022」での受賞作品3品の一部商品化が行われ、カレー風味のバーニャカウダソース「横須賀ばーにゃ」などが期間限定で販売された。

 7月には市民の間で長年親しまれてきた三笠公園の音楽噴水が老朽化を理由に廃止された。市は跡地や同公園を活用する民間事業者のアイデアを募集。採用された事業者によって複合イベント「パークチャレンジミカサ」が開催された。ヨガイベントやキッチンカーの出店、ジャズロックフェスティバルなど種々のイベントが一堂に集まり、同公園の新たな可能性を示した。

 リニューアル工事に伴い、昨年10月から休園していた「長井海の手公園ソレイユの丘」が4月にグランドオープンした。管理運営者がエリアマネジメント共同事業体(代表企業/(株)日比谷花壇)に。園内のコンテンツが刷新され、大型アスレチックや全長約300mのジップラインなどが新たに設置された。レストランやフードコート、グランピング施設なども新設され、10月には「第39回都市公園等コンクール」の国土交通大臣賞を受賞した。

 横須賀の海産物を取り巻く状況は厳しさを増している。県内でも数少ない潮干狩りスポットとして知られる走水海岸では、アサリの漁獲量減少や生育環境の変化などの理由によって潮干狩りを4年連続中止に。水質汚染などの要因がささやかれるが、具体的な解決策は見いだせていない。同地域の養殖海苔の収穫量も大きく落ち込んでいる。そうした中で若い世代が加工品の開発などにチャレンジし、販路拡大へ向け奮闘している。

 追浜地区では、休止となっていたコミュニティーバス「ハマちゃんバス」が6月から再開し、高齢者が頼りにする"地域の足"が復活した。地元企業のサガミホールディングス(株)が、前事業者から継承し、これまでの本数やルートを維持している。

 笑いで横須賀の経済活性化を後押しする動きもあった。横須賀商工会議所は9月、吉本興業所属のお笑い芸人、石橋尊久さんを同所の特命職員に任命。イベントや商談会で笑いをふりまくほか、SNSを活用したプロモーションなどで市の魅力発信に努めている。

地域

 空き家を利活用した事例もいくつかあった。4月には上町銀座商店街の一角に厨房スペースを短期で貸し出す「シェアキッチン」が誕生。飲食店の開業を目指す人などにチャレンジの場を提供していくもので、市はこの取り組みに補助金を用意して後押しした。空き家だった安浦町の一軒家をリノベーションして開設されたのは、ITプラットフォーム交流拠点「YASUULAB(ヤスウラボ)」。業務委託を受ける横須賀市のIT教育プロジェクトの卒業生らが、学んだ技術を使って地域で活躍するための拠点で、ITの力で地元企業や団体の課題解決に取り組んでいる。「谷戸エリア」の地域活性化を行う事業者を募集する「谷戸地域コミュニティ再生提案事業」では、2事業者が選ばれ、地域交流の場を創出中だ。

 ペリー率いるアメリカ艦隊が浦賀沖に姿を見せて170年の節目となることから、開国期の幕末を意識した仕立てとなった一大イベント「MEGURU Project2023」。黒船来航をモチーフにした短編劇のステージや、ペリーが来航した1853年に開園した日本最古の遊園地「浅草花やしき」とのコラボなどユニークな試みが話題を呼んだ。11月には久里浜と千葉県金谷を結ぶ東京湾フェリー(株)が、黒船仕様にラッピングした所有船舶「しらはま丸」の定期運航を開始。「黒船来航の地」という地域の歴史的資源を活かし、横須賀のPRや船旅の魅力発信、新たな観光コンテンツづくりを目指している。

スポーツ

 サッカーJ1に所属する横浜F・マリノスの新たな練習拠点として「F・マリノス スポーツ パーク〜トリコロール ベース クリハマ〜」が久里浜にオープン。地域の小学生との交流イベントなども開かれた。6月に京急久里浜駅沿いにある駐輪場の外壁がマリノスカラーに。7月には久里浜商店会協同組合と同チームの共同開発でオリジナルレトルトカレーも誕生した。

 市が推し進めるアーバンスポーツも活発な年となった。2月には高校ダンス部を集めた「高校ストリートダンスグランプリ2023」で県立大津高校が予選を突破し、本選出場を果たした。ほかにも市は15歳以下を対象にしたストリートダンスコンテストを初開催。12月に決勝が行われた。6月には昨年に引き続き、うみかぜ公園でBMXの国際大会「マイナビジャパンカップ」が開かれた。10月には市で初となるパルクールの大規模大会「パルクールトップオブジャパン」が開催。「アーバンスポーツのまち横須賀」を象徴するイベントとなった。

 11月には新型コロナの休止を挟んで5回目となる「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会」が開かれた。競技の観戦だけでなくビーチイベントや音楽ライブなども行われ、上地克明市長が掲げる「音楽・スポーツ・エンターテイメント都市」を体現する形となった。

 市は、スポーツを活用して地域課題の解決やまちの活性化に取り組む先進自治体に贈られるスポーツ庁の「スポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰2023」を11月に受賞した。横浜DeNAベイスターズ、横浜F・マリノスの練習拠点誘致に加え、アーバンスポーツを積極的に取り入れるなど、新しい文化創造にチャレンジしている点が評価された。

歴史・アート

 戦争遺跡を通して戦争の記憶を継承する「戦争遺跡保存全国シンポジウム」が追浜地区で行われ、貝山地下壕や東京湾第三海堡の存在が再び注目を集めた。

 アートで競う新発想のイベント「筆ロック」が横須賀美術館や久里浜商店街で開催され、市内外から多くの参加者が集まった。新しいコンテンツとして今後は場所や人、様々な組み合わせで仕掛けていく。

 9月には三笠公園で音楽ライブ「レゲエバッシュヨコスカ2023」が催され、当初の動員目標3800人に対して約1万5千人の来場を記録した。

 三浦按針が乗船したリーフデ号の船尾に取り付けられていたエラスムス像の複製が西逸見町で展示された。NHK大河ドラマ『どうする家康』に按針が登場するタイミングと重なり、注目を集めた。

子育て・教育

 ピンク色のシャツや小物を身に着ける事で「いじめをなくそう」という意思表示を行う世界的アクション「ピンクシャツデー」の取り組みが横須賀市の声掛けで企業や団体、学校などに広がった。1月末には41団体372事業所が同活動に賛同。船越小学校ではプレイバックシアターと呼ばれる即興劇の手法を用いたいじめ防止活動も行われた。

 子育て中、または子育てを終えた人向けのラジオ番組『ママ夢ラジオ』がFMブルー湘南で4月から放送開始。身近な情報を"ママ視点"で発信している。

 市は、昨年3月に閉園となった市立諏訪幼稚園を活用して、日本語の理解が十分でない児童生徒やその保護者をサポートする「日本語支援ステーション」を4月に開設した。

 横須賀商工会議所の発案で、障害や発達特性のある中高生のためのキャリアサポート事業が全国で初めて開始された。地元企業での職業体験を通じて生徒のスキルアップを図り、就労を支援。企業の障害者雇用にも繋げる。

 久里浜商店街にあるクラフトビール醸造所「法龍山麦酒」では、クラウドファンディングを行い、発達障がい者の就労機会の創出を目指している。ビール販売のPRとして各種イベントにも出店するなど精力的に取り組んでいる。

 児童数減少と建物の老朽化を理由に走水小を馬堀小へ、田浦小を長浦小へ統合する事が妥当だという答申が、市立小学校適正配置審議会から市教育委員会に提出された。年明けに正式決定される見通し。

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