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横須賀・三浦 経済

公開日:2024.01.01

トライアングル 鈴木社長インタビュー
「地域」軸にした攻めの展開

  • 新しい取り組みとアイデアを矢継ぎ早に語る鈴木社長

 横須賀の経済活性をけん引していくことが期待されている観光産業。その中で「YOKOSUKA軍港めぐり」「猿島航路」のキラーコンテンツを擁して存在感を示しているのが(株)トライアングルだ。斬新なアイデアを次々と繰り出して前進する同社の鈴木隆裕社長は「観光地域商社」をめざしているという。次の流れをどう読み、何を仕掛けていくのか──話を聞いた。  ──主力事業であるご当地クルーズの人気が堅調です。

 「年間の乗船客数は『軍港めぐり』が26万人、『猿島航路』は23万人とコロナ禍前の水準、もしくはそれを上回るものとなっています。"片道3分の船旅"を触れ込みにした『浦賀の渡し船』は4万人を超え、地域の足としての役割も果たしながらまずまずの状況です。課題はそれぞれのコンテンツが単独で機能していること。点と点をつないで線とし、面として展開していく必要性を強く感じています。回遊を促す仕掛けです。自社サイトでの発信やガイドブックの作成、軍港めぐりと猿島航路の相互割引などの取り組みはすでに行っていますが、もう一歩踏み込んで地域の賛同者を巻き込んだ企画づくりに挑みたいと考えています」

 ──4月以降、猿島公園をリニューアル整備する計画があります。

 「猿島航路が再開して今年30年となります。島に人を運ぶだけでなく、魅力(価値)づくりにも取り組んできましたが、

必要に応じて行ってきたため全体のデザインにまとまりを欠いており、コンセプトを統一化させます。夜の無人島・猿島を舞台にした芸術祭『Sense Island』の齋藤精一氏プロデュースで島内の各種表示などをリデザインしていきます」

 ──通算250万人とうガイド実績を背景に、三浦半島や全国に展開する広域観光ガイド組織を立ち上げると聞きました。

 「ボランティアとしてのガイドに限界を感じています。ガイドが奉仕活動の域を出ないと、観光客の満足度を高めることができません。知識を披露するだけでなくホスピタリティ精神を身に付けた良質なガイドの育成が必要であり、職業として成立するプロの存在が地域観光を盛り立てる鍵となります。3月に『一般社団法人広域観光ガイドサービス』を立ち上げて、三浦半島の4市1町をフィールドにサービスを展開していきます。遠足や修学旅行といった『教育旅行』を呼び込むことも大手旅行会社との連携で実現を目指すほか、旧軍港4市で展開しているご当地クルーズにも適用させる予定です。ガイド育成とマネジメントの仕組みを確立させて全国展開していく夢を持っています」

掲げる「観光地域商社」

 ──今年3月に横須賀美術館で「鈴木敏夫とジブリ展」が開催されることが発表され、驚きました。トライアングルも実行委員会組織に名を連ねています。

 「横須賀を元気にするためのツールとして誘致に協力しました。およそ3ケ月の会期を通して、展示はもちろん、観音崎や猿島、横須賀中央周辺や軍港めぐりなど、横須賀の魅力を多くの方に知っていただける機会にしたいと思っています」

 ──トライアングルが目指す未来を聞かせてください。

 「ひと言でいうと『観光地域商社』になることです。優れた観光コンテンツを開発して、地域一帯で観光産業を活性化させることを思い描いています。それを当社だけで取り組むのではなく、様々な連携で新しい道を切り拓いていきたいと思います。互いの強みを活かせる相互関係の構築が理想です。観光業は裾野の広い産業です。企業や商店街、教育機関などとコラボし、小さい挑戦を積み重ねることで新しい価値や可能性を生み出していきたいとを願っています」

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