横須賀・三浦 人物風土記
公開日：2024.01.19
私財を投じて児童福祉事業を推進するための基金を創設した
臼井 伸二さん
馬堀海岸在住 69歳
若者の可能性の芽を摘まない
○…貧困や虐待、育児放棄と子どもを取り巻く環境は深刻度を増している。問題は単純でなく、複雑な要因が絡み合うため社会全体で向き合う必要を感じていた。ひとつのアクションとして行動に移したのが、児童福祉事業を前進させるための基金創出。「臼井伸二未来へつなぐ基金」を立ち上げ、居場所のない子どもたちのサポートに取り組むＮＰＯ法人の活動を寄付の形で側面から支える。横須賀市内の児童養護施設などを退所する（退所した）若者の住居確保も一律給付で自立を助ける。「若者の可能性の芽を摘まないこと」が狙いだ。
○…地域密着の不動産会社として知られるウスイホームの元会長。昨年３月に退任し、事業承継で得た株式の譲渡益を原資にして社会貢献活動を永続的に行っていく。経営者時代も地域のスポーツ振興などに協力してきたが、長期的な視座で社会課題と向き合っていくことを決めた。
○…１９７６年に久里浜でアパート一室の仲介からスタートした会社を神奈川県下売上１位を記録し続ける優良企業に育て上げた。住まいを中心としたライフステージに関わるあらゆるニーズに応える「ワンストップサービス」の戦略を磨き上げ、地域との信頼関係を深めていった。これが成長の要因であり、大手にも負けない強みとした。
○…経営のバトンタッチには寂しさよりも覚悟が勝った。「避けられないＤＸ化に経験や勘だけでは対応できない場面が増えてきた」。居座り続けない決断がベストな選択だったと疑わない。生まれた自由な時間を「ＹＯＫＯＳＵＫＡ ＢＡＳＥ」と名付けた個人事務所で過ごし、次のステージに思いをめぐらせる。地域と社会のためにまだまだ動いていく。
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