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横須賀・三浦 コラム

公開日:2024.07.12

三浦半島 草花歳時記
第58回 「ドクダミ」には八重の花も咲く
文・写真 金子昇

  • 中央の円錐状が花の集まり

  • 1個の花(雌蕊1・雄蕊3)

  • 下部の4枚は総苞片で上部は苞葉(写真右)、5弁状(同左)

 道端や庭隅などに、4枚の白い花弁状をつけた「ドクダミ」の花が咲いています。名の由来は「毒痛み」または「毒をためる」から来ています。全草悪臭が強く、ほとんどの人は触れるのを避けているようですが、ヨーロッパではハーブとして人気があり、観賞用にも使われています。また花が十字形をしているので、教会に植えられています。

 この白い4枚の花弁状は花びらではなく、葉が変化したもの(ちょうど水芭蕉と同じで「総苞片」と呼ばれる)です。花には花弁や萼片はなく、本来の花は中央にある黄緑色の円錐状の穂(花穂)で、30〜40個の小さな花の集まり(花序)です。1個の小花の根元にはそれぞれ緑色の小葉(苞葉という)がついています。この小葉がたまに大きくなり白色化すると、全体が八重状になって、「八重のドクダミ」が誕生します。

 また、4枚の総苞片が5枚または6枚になることもあります。

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