自身が手掛けてきた絵画の寄贈を行った洋画家 田沼 汪次郎(おうじろう)さん 横須賀市森崎在住 83歳
生涯を描画に捧ぐ
○…筆の赴くまま、見た、感じたイメージを色鮮やかな油彩でキャンバスに落とし込んでいく--。御年83歳で作家歴は60年越え。体力の衰えこそ感じているが、今でも一日中絵と向き合う生活を送る。「死ぬまで筆を握り、自分の絵を確立する。そうして『やり切った』と言える人生を送りたい」
○…群馬県桐生市生まれ。幼いころ、横振り刺繍職人だった父親の新たな仕事場として横須賀へ移住。父親の「画家になってほしい」という願いを受け何気なく描き始めたのをきっかけに画家として歩み始める。美術の専門学校を卒業するとみるみる才能は開花。銀座での個展開催やフランスの国際展では大賞を受賞、国内外での受賞は40回を超える。「心が平和であればそれが受け取り手に伝わり、人の大事さや痛みが分かる。そんな感動を伝えたい」。作家としての信条を掲げる。
○…美術を通した文化芸術の発展を図る「21美術協会」や「新芸術協会」創設に貢献するなど、自身の世界観を追求する一方で、人材育成や芸術振興にも寄与してきた。日本中を飛び回り、これまで100人を超える画家を指導。「巧拙は関係ない。1つのことを最後までやり抜くこと。それが大事」
○…育ってきた横須賀への感謝は日ごと増すばかり。それを形に示したい。このほど行った寄贈にはそんな思いも詰まっている。これまで都内などで30回以上行ってきた個展だが、市内ではまだない。「最後の個展は地元横須賀で」。アトリエにはまだ未完成の作品が数多く並ぶが「筆を握り、絵を描いている時が一番幸せ」と笑みをこぼす。「色々な人にお世話になり、横須賀に育てられてきた。その思いを形にしたい」。感謝の念が筆先に宿る。
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