海南神社青年会会長で八雲祭を取り仕切った 藤 太郎さん 三浦市三崎在住 48歳
「地域への恩返し」胸に
○…江戸時代に起源を持つとされる八雲祭。伝統ある祭礼を取り仕切る会長として「紡いできた歴史を次世代に渡す役割」と自負する。昨年に初企画された子ども神輿の渡御だが、今年、自身が会長になり、自前の神輿を新調した。「少子高齢化が進む中、将来を担う若い人たちに郷土愛を育んでもらい、地域に根付いた人を祭を通して育てたい」。当日は数十人の”三崎っ子”が勇壮に神輿を担いだ。
○…生まれも育ちも三浦市。戦前から続く三崎の葬儀社「藤屋」の3代目を務める。社員が大量に辞職し、経営苦に陥った十数年前にはイチから雇用・教育体制を整え、再建に奮闘。会社に対し、あらぬ話を吹聴されることもあったが、それでも地域の人は信頼し、支えてくれた。「温かさに涙が込み上げた」。これまでも続けてきた地域活動だったが、「地元への恩返し」に一層熱がこもった瞬間だった。
○…商工会議所青年部会長、PTA会長、青年会議所、ロータリークラブ、法人会などこれまで様々な形で地域と関わりを持ち続けてきた。全国的な課題として、少子高齢化や人口減少などで地域社会は衰退しつつある。そんな中大切にしてきたのは「一人ひとりの思いをくみ取ること」。八雲祭に向けてもボトムアップ型の組織体制を心掛けた。時代によって変容する人の考え方に柔軟に対応することが持続可能な地域コミュニティにつながると確信している。
○…祭の週は準備に追われ、毎日社務所に詰めっぱなしだった。それに合わせ多くの団体に所属していることもあり、家族との時間はなかなか取れない。それでも家に帰れば温かく出迎えてくれる。寄り添ってくれる家族や地域への恩返しを胸に歩みは止めない。
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