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横須賀・三浦 コラム

公開日:2025.07.18

わたしのまちでいきる きょうだいの想い 編
【3】新しい命、ありのままに「一般社団法人sukasuka-ippo代表理事 五本木愛」

 この連載では、障がいを持って生まれたうららの兄、蓮から見た妹の姿やきょうだい児として感じてきたことなど、さまざまなエピソードを紹介します。

 2010年6月。子ども達が通う幼稚園のバザー準備で忙しくしていた時、体調不良が続いていました。まさかと思い受診すると原因は妊娠でした。

 末の息子が幼稚園に入り、やっと少し自分の時間が持てるようになった矢先の事で、さらに妊娠は6回目。4、5回目は切迫早産で、子宮口を縛るシロッカー手術を受けていた私。子育てで安静にする時間など全くない中で、無事に出産までたどり着けるだろうか。不安がよぎり「どうしよう...」。これが妊娠が判明した時の本音でした。

 夫に報告した時も、まず私の体の心配が先に立ち「楽しみだね」とすぐにはなりませんでした。それから数日。「もしこの子に障害があっても、絶対に産み、育てなければならない」。なぜこの時特別な感情が芽生え、こんなにも強く思ったのか分かりません。しかし結果的に後に生まれた娘が私の人生を大きく変える存在となった事は、紛れもない事実です。それから私は自分の気持ちを夫に伝え、家族へ報告する事を決めました。

 兄姉たちが新しい命をどんな思いで受け止めるか─。あの時の私は、そこまで想像できてはいませんでした。ただ、きっと喜んでくれるだろう。「弟かな?妹かな?」と心待ちにしてくれるに違いない。そして、生まれてくる子が兄姉たちにとってもかけがえのない存在になる。そう思い込み、まるで"お楽しみの発表"をするかのように、夕食の時間に子どもたちへ伝えたのでした。

-次回に続く

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