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横須賀・三浦 トップニュース教育

公開日:2025.11.14

横須賀市秋谷
"自分軸"養う学び舎
オルタナティブ校開校へ

  • 校舎となる妙忍寺と川口理事長

 子どもたちの探究心に基づき、学びを深める学校「オルタナティブスクール」が来春、横須賀市秋谷の妙忍寺(秋谷4313)に開校する。教員経験のある川口翔平さん(秋谷在住)が理事長を務めるNPO法人「Re-Education」が運営。小学1年生から6年生を対象とし、初年度は10人程度の児童を受け入れて始動する計画だ。

 オルタナティブスクールは、文部科学省が定める学習指導要領に基づく学校とは異なる、独自のカリキュラムや教育理念に基づいて運営される教育機関を指す。児童生徒一人ひとりの興味関心に基づく自由な学びや、個性や自律性を重視しており、不登校児などの「居場所」としての意味合いが強いフリースクールとは方向性が異なる。

疑問が学びの原点

 同校の名は「The WILL」。川口理事長は数年前から、偏差値や受験といったある種の「社会の軸」に沿う現代の学校教育のかたちに違和感を覚えていた。それよりも「何をしたいのか。どうなりたいのか。どうありたいのか」といった「自分軸」を持つことが子どもの幸せにつながると考えるようになり、1年程前から開校を構想していた。そうしたところ、前任校の横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校で出会った野下卓泰さん(芦名在住)、新倉哲さんも趣旨に賛同。同法人を立ち上げ、開校に向け動き出した。

 同校が目指すのは、子どもたちの興味関心に合わせ、とことん探究させる学校だ。時間割には国語や算数、理科、社会といった日本の小学校における主要な学習教科はない。その代わりに、話し合いや質問を通じて自己理解を深める「共感コミュニケーション」や、子どもがやりたいことを形にする「プロジェクト」の時間が設けられている。プロジェクトを通して生まれた疑問を、座学につなげる、暮らしと学びが一体となった教育を実践する。

 「現在の学校教育は学びに対して、先生が答えを持っている。そうではなく、答えのない問いをとことんやらせてあげる。そしてそれに大人が伴走する。そんな学校をつくりたい」。川口理事長は理念を掲げる。

 教員は川口理事長、野下さん、新倉さんの3人。このほか、学校の趣旨に賛同した、近隣に住まう農家や企業家、飲食店主などの有志メンバーも先生役に。子どもたちは、授業で生まれた疑問や課題を気軽に相談できる。

 将来的には、受入人数を30人ほどに増やす予定で、その後は中等部の設置も視野に入れているという。学校で使用する椅子や机などは、入校する子どもたちに自作してもらう。

 同法人は現在、開校に向けてクラウドファンディングで資金を募っている。詳細は「秋谷 The WILL」で検索する。

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