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三浦の散歩道 〈第128回〉 みうら観光ボランティアガイド協会

掲載号:2017年4月7日号

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川べりに建つ大井戸の碑
川べりに建つ大井戸の碑

 前回の文章中に「其(その)麓ヨリ西ニ当テ霊泉アリ」との表現がありましたが、それについての市の説明板が「高円坊一番地」先きの道ぎわに建てられています。「霊泉と塔の台」という表題で、次のように記されています。

 「天平元□(七二九)僧行基当国行脚のみぎり、塔の台に来たり給ひ、その麓の西にあたりて、湧きいずる泉に感じたまい、延命地蔵菩薩の尊像を彫刻し、塔の台に一宇を建立して、これを安置したまへり。

 鎌倉時代に至り、地蔵菩薩は霊験あらたかにして、奇特もっともこれ多く、よりて、三浦大介平義明の長男杉本太郎義宗の嫡男和田左衛門尉義盛、尊崇帰依の道場なり。故に、志ある輩は霊泉の流れ川で、□□を取りて参詣す、是れにより精進川と云う。

 このことから和田義盛は、塔の台に安置された地蔵菩薩を信仰していたことや、□□を取った川を『精進川』と言うことがわかります。なお、塔の台は現在の日枝神社の一帯を言います。

 霊泉を『大井戸』と呼び、三浦七井の随一で、南西に広がる水田地帯を潤す水源となっており、五劫寺が管理していました。耕地の中程を流れていた庄司川に合流していました。現在では、土地改良事業が行われ、霊泉や精進川は見られなくなりましたが、その水源は上水道に利用されています。

三浦市」

 以上ですが、説明文中に白く塗られ読めない箇所があります。想像してみますと、表題の脇に「通称 わくり井戸」とあり、最初の「天平元」の下の文字は不明です。天平元年は西暦で729年ですから間違いありません。説明文の八行目「流れ川で、」の次には「垢離」の二文字が入るのではないでしょうか。「垢離(こり)」とは、「神仏に祈願するとき、冷水をあびて体と心を清める」ことです。この文字が二箇所使われているようです。さらに九行目の「精進川と云う。」の下にも言葉があったようですが不明です。

 なお、『新編相模風土記稿』には、高円坊の小名=小字(こあざ)として、「高円坊里、高円坊上、高円坊下、加久下(かくした)里、小長(こなが)里、水尻(みずしり)里、大井里」の七つの里をあげています。その中の「大井里」に註して「此地一井あり、大井戸と称す、径六尺(1・8m)郡中七井の一なりと云」とあります。

 ここに言う「郡中七井」について、『三浦古尋録』(1811年)の中では、「三浦五井ノ一也」と述べています。それは、「吉井・長井・今井・筑井(津久井)・大井戸」の五井を指しています。異本として五井にプラスして「飛井・亀井・石井」としていますが、「今井」を除いて、「七井」としています。いずれにしても、この地は「湧水」の豊富な処で市の水源地にもなっています。

(つづく)
 

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