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三浦版 公開:2019年6月28日 エリアトップへ

連載 第42回「海南神社のこと【6】」 三浦の咄(はなし)いろいろ みうら観光ボランティアガイド 田中健介

公開:2019年6月28日

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イザナギ・イサナミの二神による国生み
イザナギ・イサナミの二神による国生み

 「海南神社」の境内にある「神楽殿」の軒下周囲に、日本神話が絵に描かれている旨は前号で記しましたが、それを今回紹介して参ります。

 絵を描いた人は、「たぶろう美術協会」所属の「並木治予視(なみきはるよし)」と言う方です。「神の国産(くにう)み」から始まって、「黄泉平坂(よもつひらさか)」まで、七つの絵画が架けられています。その各々(おのおの)について見て参りましょう。

 先ず、初めに登場する「神が生み出す国土の起源」について、『古事記』によりますと次のように記されています。

 「天の神様方の仰せで、伊耶那岐命(イザナギノミコト)・伊耶那美命(イザナミノミコト)御二方(おふたかた)に、『この漂(ただよ)っている国を整(ととの)えてしっかりと作り固めよ』とて、立派な矛(ほこ)をお授けになって仰せつけられました。それでこの御二方の神様は天からの階段にお立ちになって、その矛をさしおろして下の世界をかき廻(まわ)され、海水を音を立ててかき廻して引きあげられた時に、矛の先から滴(したた)る海水が、積って島となりました。」(「角川文庫『古事記』武田祐吉訳註」)

 このように、御二方の神によって、日本列島は生まれたのでした。

 二番目の絵画は「天(あま)の岩戸(いわと)」の話です。

 伊耶那美命が「火の神」をお産みになったことが原因で「黄泉(よみ)国」へ旅立たれてしまいます。恋しく思われた伊耶那岐命は、黄泉国へ行かれますが、お還(かえ)りになると「随分(ずいぶん)いやなきたない国に行ったことだ。禊(みそぎ)をしようと思う。」と仰せられて、水中に入られた。その折り、左の眼をお洗いなった時に御出現された神が「天照(あまて)らす大神(おおみかみ)」、右の眼をお洗いになった時に出現された神が「月読(つくよみ)の命(みこと)」、鼻をお洗になった時に御出現になった神が「速須佐(はやすさ)の男命(をのみこと)」であったのです。眼より生まれたお二方の神は、太陽神と月夜の神として、命ぜられたまま治められましたが、スサノヲの命だけは、長い鬚(ひげ)が胸にたれさがる年頃になってもただ泣きわめいておりました。すなわち、暴風の神であり、のちの出雲(いずも)系の英雄になる神です。

 天照大神は、この神の乱暴ぶりを嫌って、天の岩屋戸をあけて中にお隠れになってしまいました。天はまっ暗になり、下の世界を毎々(ことごとく)闇(くら)くなってしまったのです。

 神々が相談をして、天(アメ)の児屋(コヤ)の命が祝詞(のりと)を読み、天の宇受売(ウズメ)の命は蔓(かずら)を手襁(たすき)に懸(か)け、天の香山(かぐやま)の小竹(ささ)の葉を束(たば)ねて手に持ち、岩戸の前に桶(おけ)をふせて踏み鳴らして踊ったのです。それをごらんになった高(たか)天原の八百万(やおろず)の神々が笑ったので、天照大神は怪しとお思いになり、細く開けて、のぞいたところを、手(た)力男命(ぢからをのみこと)が力いっぱい引き開けたのでした。この世に光がもどったのでした。     (つづく)

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