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連載 第43回「海南神社のこと【8】」 三浦の咄(はなし)いろいろ みうら観光ボランティアガイド 田中健介

掲載号:2019年7月26日号

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「神楽殿」のうち、鳥居に面した方の軒下に、「大国主(おおくにぬしのみこと)命」に関する絵画が三枚掲げられています。すべて、出雲(いづも)系の英雄神話です。

 この大国主の神は多くの名前を持っております。

 「またの名は大穴牟遅(おおあなむち)の神といひ、またの名は葦原色許男(あしはらしこを)の神といひ、またの名は八千矛(はちほこ)の神といひ、またの名は宇都志国玉(うつしくにたま)の神といひ、并(あ)はせて五つの名あり。」(『古事記』上巻)、「角川文庫」の註によりますと、「古代出雲の英雄で国土の神霊の意。代々オホクニヌシであり、その一人が英雄であったのだろう。以下の別名はそれぞれその名による神話があり、すべてを同一神と解したものであろう。」、としています。

 その大国主の神には兄弟が沢山(たくさん)おいでになり、その多数の神は皆因幡(いなば)の八上比売(やがみひめ)と結婚しようという心があって、大国主の命に袋を背負わせて、従者として、一緒に因幡(いなば)へ出かけて行きました。その道中、気多(けた)の前(さき)(島根県気高郡末恒村の日本海に出た岬)で、裸になった兎(うさぎ)が伏しているのを見つけます。その兎を助けた話が、二番目の「因幡の白兎(しろうさぎ)」の絵=写真【1】=です。

 最初の「須勢理比売」との出会いについては、次のように書かれています。「大勢の神が大国主命を欺(あざむ)いて山に連れ出し、殺してしまいます。しかし、母神に助けられ、紀伊の国の大屋毘古(おおやひこ)の神のもとに逃がしてやりますが、大勢の神は追ってきます。そこで、母神は「須佐男(すさのを)命の、御所(おんもと)に参りましたら、きっとよい謀(はかりごと)をして下さるでしょう。」と仰せられたのです。そこで、根(ね)の堅州(かたす)国(地下の国)へ行かれます。そこで、須佐男命の御所に参ったとき、その御女須勢理比売命(おんむすめすせりひめのみこと)に出会うのでした。しかし、大国主命は、蛇のいる室(むろ)に寝かせられます。次の日は、むかでと蜂の室に入れられますが、いずれも、須勢理比売(ひめ)に助けられます。

 しかし、比売の父である大神が寝についたとき、大神の髪を握(と)って、室の屋根のたる木に結(ゆわ)いつけ、戸口も、大きな岩で塞(ふさ)いでお妃(きさき)になったスセリ姫を背負って、逃げだそうとした折りに、持っていた琴が樹にさわって音を立ててしまいました。寝ていた大神は音に驚き、目をさまされて、「黄泉比良坂(よもつひらさか)」まで追っておいでになったのです。

 三枚目の絵画=同【2】=が、それです。大神につかえる蛇の化身達が、大国主命に向かっている図なのでしょう。

 なお「黄(よも)泉つ比良坂(ひらさか)」とは現世と死者の国との境の地と言われています。     (つづく)

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