三浦版 掲載号:2020年1月24日号 エリアトップへ

連載 第54回「諸磯のこと【3】」 三浦の咄(はなし)いろいろ みうら観光ボランティアガイド 田中健介

掲載号:2020年1月24日号

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神社の裏の浜に立つ諸磯灯台
神社の裏の浜に立つ諸磯灯台

 「畑の祭」の歌詞の部分に入ると、「やれやあ引(ひけ)、さの、せえい、せえい、せえええい、」の掛け声の後(あと)に、「三浦三崎は女の夜業(よばい)、男後生楽(ごしょらく)寝てまちる、」の詩文が出てきます。

 詞は異なりますが、『相州三浦三崎案内』という書物に「三浦三崎は女の世這(よばい)、男後生楽寝て暮らす」、と言う言葉がでてきます。字の表現が異(ことな)りますが、その解説として、漁師の生涯ほど、うらやましいものはなく、お世辞(せじ)を口にすることもなく、ただ無尽蔵(むじんぞう)な海に糸を垂れて、浮世の塵(ちり)を知らずに生涯のあらましを送る。それに反して、陸(おか)に残る女子(おなご)等は男の留守を護(まも)って、水仕事は言うに及ばず、来客の接待やら、公私の用事に至るまで、女子が世を経(へ)る。すなわち、男は、ただ稼(かせ)ぐだけで、頓着(とんちゃく)なく(気づかいなく)暮らすことを言っているようです。時代が異なる話でしょう。

 「畑の祭」の詩中の「三浦三崎は女の夜業(よばい)」の表現は、「城ヶ島」にも、あると言うのです。当時(明治期ごろか?)の島の女性は、昼間、漁の手伝いや家事をこなした後(あと)、夜は磯へ出て貝や海草を採って、生活をしていたと言うのです。夜の月明りの下での仕事を「女の夜業」と言い、女性にとっては、きびしいものがあったのでしょう。現代では、ないことでしょうが。

 「畑の祭」の詩中には、「百舌(もず)」をはじめ、「南瓜(かぼちゃ)」、「牛蒡(ごぼう)」、「化(ばけ)猫、雉(きじ)猫、かまいたち」などが登場します。

 また、「やあれ、曳(ひ)け、山車よ曳(ひ)け、海が見ゆる、」では、現在の「浜諸磯陸橋」の先きあたりでしょうか。つづいて、「沖はええ、沖はてるてる、風車は廻(まわ)る、磯の神明様の片時雨(かたしぐれ)、」とあります。

 ここに詠まれている「風車」について、次のような短歌もあります。

 「夕焼小焼大風車(おほかざぐるま)のうへをゆく雁が一列鴉(からす)が三羽」

 現在ではコンクリート造りの台座のみが残されており、下の方にある雅致(がち)のある臨海実験所もまもなく取り壊されるとのことです。

 「畑の祭」の終わりの部分では、「愈(いよいよ)丘の畑をすべり下りると平たい、かっと明るい渚(なぎさ)に出る。右も左も渚である。ここに神明宮の鳥居がある。(中略)社前の渚には漁船が幾艘も引き揚げてある。(中略)一同は赤々と日が暮れるまで盛んに酔っぱらって踊ったり唄ったりする。(中略)凡(すべ)てが如何(いか)にも馬鈴薯(ばれいしょ)式なので村の祭とか田舎とか云ったりするよりは却って『畑の祭』とした方が適当かも知れない。」と記述しています。

(つづく)

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