三浦半島 草花歳時記 第14回 サラダで食べる「ツルソバ」 文・写真 金子昇
「ツルソバ」は三浦半島の海岸、林縁や藪、垣根、石垣、道端等に多く生育しており、夏から秋にかけて小さな穂状の白い花を咲かせます。
ツルソバは食用(蕎麦)とする「ソバ」と同じタデ科の草本で、果実が黒く三稜形をして似ています。しかし蕎麦には利用されず、実をサラダに添え、新芽はあえ物や天ぷらとして食べます。茎にはやや酸味があり、種子も食べられます。
ツルソバは日本から東南アジアにかけて分布し、日本では関東南部以西の沿海岸に、多く分布しています。神奈川県内のツルソバは、以前野生種として扱われなかった時期もあったようです。
最近、同じタデ科で明治の頃、観賞用として導入されたヒマラヤ原産の「ヒメツルソバ」が、野生化し繁殖しています。生活力が旺盛で、石垣や溝等の過酷な環境にも分布を広げており、さらに2000メートル級の高山帯にも進出しています。茎が匍匐(ほふく)し背丈が低いので「ヒメ」の名がつけられましたが、花は全然似ていません。
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