三浦 コラム
公開日:2021.09.10
三浦半島 草花歳時記
第23回 白髪の種に変わる「センニンソウ」
文・写真 金子昇
夏から秋にかけて、林縁や垣根を蔓で覆う可愛らしい花「センニンソウ」が目につきます。4枚の白い花びら状は花弁ではなく萼片で、花弁と同じ虫を誘い込む役目をしています。花が咲き終わると、雌蕊(めしべ)の花柱は伸びて白い羽毛状の果実(後に種子になる)になり、多数集まっている所ではちょうど仙人の白い髭のように見えるので、この名がつきました。長い羽毛をつけているため、風に運ばれやすく生育エリアを広げていきます。
以前西オーストラリアへ旅行した際に、ある公園内でこの花を見つけました。日本のセンニンソウとは学名が違っていましたが、非常によく似ており、現地では「オールドマンズ・ビヤード」(おじいさんの顎髭)と呼ばれていました。
センニンソウの蔓は茎が巻き付くのではなく、葉柄(葉の一部)で巻き付きます。茎や葉にはかぶれる有毒成分を含んでいるので、扱いに注意して下さい。そのため別名「ウシクワズ」「ウマノハコボレ」ともいわれています。
園芸種の「クレマチス」とは同じ仲間のため、外国では庭園植物として広く栽培されています。
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