三浦半島 草花歳時記 第25回 「カラスザンショウ」の見どころ 文・写真 金子昇
周辺の山林には、高さ10m以上もある「カラスザンショウ」(雌雄異株)がよく見られます。この時期、雌株には球形状で紅紫色の果実をたくさんつけています。以下、ぜひ観察していただきたい見どころを3つ取り上げました。
1.樹皮には非常に鋭い棘があること(棘に十分注意してください)
2.樹形は盃状または傘状(枝を水平に大きく広げ、樹冠の上部は平たくなり、日光が十分受けられるように生育した陽樹の大きな特徴)であること
3.落葉樹のため葉が落ちると、葉柄と枝との接点の模様(葉痕)がサル(またはヒツジ)のような顔に見えること
葉痕(葉柄が落ちた痕跡)は、落葉樹が冬を迎えると樹種によって、いろいろな顔や形に見えるので、冬の楽しい観察になります。
他の例を挙げると、フジの枝にはカモメの形、ヤマグワは子供の顔、ニセアカシアはコウモリの姿とイメージされます。
(注)動物の目・耳・口のように見える部分は、水分や養分の通り道です。
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