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三浦 コラム

公開日:2022.01.01

三浦半島 草花歳時記
特別編 「カキ」を供えた鏡餅
文・写真 金子昇

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。



 正月に関係のある植物を挙げると、松竹梅を始めダイダイ、マンリョウ、センリョウ等多くありますが、その中でもあまり知られていない植物に、鏡餅に添える「カキ」(柿)があります。一般に鏡餅は下からウラジロ、ユズリハ(2枚の葉を八の字に置く)、鏡餅(大小2個)、ダイダイの順に供えます。地方によっては伊勢海老、コンブ、ホンダワラ(穂俵の意)を加えることもあります。



 鏡餅の由来は、年神様に食べていただくために供え、鏡に見立てています。年神様がお帰りになられた後、餅を砕いて年神の魂として皆に配ります。ここから「歳玉(としだま)」(お年玉)が始まりました。



 今回は柿を鏡餅に飾るお話をします。柿は「嘉来(かき)」(喜びが来る)に繋がるとして取り上げられ、10個の干し柿を左右に2個ずつ、中央に6個を横に並べて飾ります。これは「代々(ダイダイ)夫婦(2個ずつ)仲睦まじく(中央に6個)」と、願い拝することから来ています。



 また柿は「木まもり(守り)」といい、昔から木の上に1個残して、感謝と来年の豊作祈願としてきました。



 そして小正月(1月15日)には、「成木責め」(なるきぜめ)といって果樹(主に柿)の幹に傷をつけ、「なるかならぬか、ならにゃ鎌を持ってぶち切るぞ」といい、来年の豊作を祈願します。昔話「猿蟹合戦」の「早く実が成れ、成らぬとちょん切るぞ」も「成木責め」から来たと思われます。

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