三浦 コラム
公開日:2022.02.04
三浦半島 草花歳時記
第28回 「ウメ(梅)」にメジロが似合う
文・写真 金子昇
2月に入ると日増しに春の気配が強くなり、各地で「ウメ」の花の本番を迎えているようです。古来より「梅にうぐいす」と言われてきましたが、実際にウグイスが訪れるのは稀で、三浦半島ではメジロの方が多く訪れています。メジロをウグイスに見違えたとも考えられます。ちなみに中国では「ヤナギにウグイス(コウライウグイス)」と詩文に詠まれています。
ウメは新年早々に咲くため「春告草」「初花草」等と言われています。古い時代に中国から薬用植物として、ウメの花とその文化が日本へ伝わってきたため、この花に対する美意識や自然観には中国の影響が大きく関わっており、万葉時代の花見もウメが主体でした。平安時代に入ると急速に日本文化が発達し、宮廷にウメを植える風習の代わりに「左近の桜、右近の橘」が誕生し、その後花見はサクラに代わってきました。
また、ウメは災難を祓う信仰が古くからあり、元日の朝は難を逃れることから梅干を入れた茶(大服茶)を飲んだあと、雑煮を食べる習わしがありました。
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