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三浦 コラム

公開日:2022.08.05

三浦半島 草花歳時記
第34回 食べるとご機嫌になる「ヤマノイモ」
文・写真 金子昇

 「ヤマノイモ」は日本特産の蔓性の野生種で、「自然薯(じねんじょ)」と呼ばれています。写真のように白い穂状の花(雄花序)が咲き出すと、本格的な夏が訪れたと感じます。地下に太く長いイモが発達し、トロロ状にして食べると美味です。



 また葉の付け根に、径2〜3cmの塊状の「ムカゴ」(零余子)ができることがあり、食用や貴重な漢方薬に使われています。これを食べると強壮作用の効力が働き、48時間くらいご機嫌な気分になるといいます。俳人の与謝蕪村は「うれしさの蓑(み)にあまりたるむかごかな」と喜んだようです。よく似たものに食用にならない「オニドコロ」もあります。



 栽培品の「ナガイモ」は中国原産で、市場に流通しているのはこの種ですが、周辺の山林に野生化しています。



 最近、ムカゴが径10cm以上もある東南アジア原産の「宇宙芋」(エアーポテト)が出回っています。上へと伸びる蔓の途中に大きなムカゴをつけている様子が、宇宙に漂う隕石のようなのでこの名がつきました。

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