三浦 コラム
公開日:2023.04.14
三浦半島 草花歳時記
第42回 性転換をする「ウラシマソウ」
文・写真 金子昇
日の当たらない林下には「ウラシマソウ」が咲いています。暗紫色の花の形がユニークで、仏像の背光のように見えることから「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれています。仏炎苞は葉の変形したもので花弁はなく、中から細長いつる状のもの(付属体という)が、大きく弧を描くように伸びています。これを浦島太郎の釣り糸に見立てて、この名がつきました。
ウラシマソウは雌雄異株で、この付属体の根元に雄花または雌花があります。一般に株が小さいときには雄花ばかりをつけますが、成長するに従って突然性転換し、雌花ばかりに代わることがあります(時には雌花と雄花の両方をつけることもあります)。
葉は小葉がいくつか集まって、1枚の葉になる複葉で、ウラシマソウの葉は「鳥足状複葉」といいます。また花後には真っ赤な果実が多数固まって着き、見ると毒々しい感じで、毒ではないというけど、口に入れようとは思いません。地下には芋状の塊がついていますが、これは有毒ですので注意してください。
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