三浦 コラム
公開日:2023.05.12
三浦半島 草花歳時記
第43回 難を転ずるの「ナンテン」
文・写真 金子昇
「ナンテン」は日本及び中国原産で、漢名の「南天竹」または「南天蜀」からつけられました。
古来より「難を転ずる」木と言われ、解毒作用や殺菌効果があるため、自家製の食べ物を人に贈るときには、葉を添える習慣がありました。また食べ物が腐ると葉の色が変色すると言われています。よって昔は庭の片隅に必ず植えられていました。
春に淡黄緑色(見た目は白っぽい)の花をつけます。晩秋には赤い果実がつき、薬用(喘息)に利用しますが、赤より白い果実の方が薬効が大きいと言い、赤を漂泊してシロナンテンとして売ったこともありました。実際にはほとんど効果は変わらないようです。なお果実は有毒で、鳥は大量には食べません。
茎は木本のように見えますが、内部組織では木質化した茎を持った草本になります。ある程度の太さになると、それ以上太く成長しませんが、稀に大木になることもあります。金閣寺の床柱はナンテンから作られました。
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