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三浦 コラム

公開日:2023.06.09

三浦半島 草花歳時記
第44回  へそくりの語源「カラスビシャク」  
文・写真 金子昇

 明るい畑地や荒れ地に群生している「カラスビシャク」の花が咲き出しました。草丈20〜30cmほどの小さな多年草(サトイモ科)で、葉は3出葉、花はウラシマソウを小型化した形で、名の由来は小さな柄杓(ひしゃく)に似ているため「カラスの柄杓」としました。また葉の付け根に球芽(ムカゴ)をつけ、繁殖に役立てています。

 球根(球茎)が栗に似ており、花茎の途中(仏炎苞の付け根)に小さな穴(窪み)が臍(へそ)のように見えるため、別名を「ヘソクリ」(臍栗)といいます。

 そして球根は吐き気止めや鎮痛薬等の漢方薬「半夏(はんげ)」と呼ばれ、昔から農家の主婦が畑仕事をしながら、このヘソクリの草を集めて薬屋へ売って、自分の小遣い稼ぎにしていたようです。ここからカラスビシャクは「へそくり」(へそくる)の語源となりました。

 なお、球根は有毒なので、十分注意してください。

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