三浦 コラム
公開日:2023.10.06
三浦半島 草花歳時記
第48回 「ワレモコウ」(吾亦紅というけど...)
文・写真 金子昇
秋の野に咲く花の一つに「ワレモコウ」(バラ科)があります。三浦市内には数少ない花ですが、私も諸磯海岸で咲いているのに出会い、「あ!こんなところにワレモコウが」と感激しました。
名の由来には諸説あります。インド原産の線香の原料となる「木香」(キク科)の香りに似ることから「我が木香」(我が国の木香)となりました。しかし、ワレモコウにはインドの木香のように香りはありません。
宮中の御簾(みす)の上部を飾る「帽額(もっこう)」の模様に似る説や、織田信長の家紋「木瓜紋」に似ている説などがあり、ひし形状の一つの花が四つに割れているように見えるので「割れ木瓜」と呼ばれました。また、久米正雄は文中で「我亦紅」と表現していました。
花穂は赤く、花弁のない花が集まったものです。葉は羽状複葉で、小葉の基部に小さな托葉がついているのが特徴の一つでもあります。
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