逗子・葉山版 掲載号:2011年4月8日号
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東日本大震災の教訓に学べ ハザードマップの見直しを 津波の「想定」もう1度

両市町のホームページなどに掲載されているハザードマップ。現行のもので想定に誤りなどがないか、今一度見直す時だ
両市町のホームページなどに掲載されているハザードマップ。現行のもので想定に誤りなどがないか、今一度見直す時だ

 3月11日に発生した東日本大震災は5日現在で死者と行方不明者が2万7千人を越える未曾有の大災害に発展した。震災からじき1ヶ月。日を追うごとに被害の全貌が明らかになってきたが、被害を増大させたのは”想定外の津波”によるところが大きかった。周囲を海に囲まれた三浦半島に位置する逗子市、葉山町が今回の震災から学ぶべきことは何か。現状に照らし合わせて考えたい。

 両市町では地震による津波の浸水域を示した「津波ハザードマップ」をホームページなどに掲載している。両市町とも震災後、市民に周知を図る目的で再度情報を更新した。

 逗子市のハザードマップは県が作成した津波浸水予測図を元に昨年3月に作成。相模トラフ(小田原沖の相模湾に位置する海溝)を震源地としたマグニチュード7・9の地震を想定した浸水域を示している。

 同マップによると逗子海岸沿岸で2m〜5mの津波、田越川周辺では最大12ha程度の浸水を想定。市街地では川周辺の浸水以外を除いて国道134号線より陸地側には目立った浸水はないように記されているが、「関東大震災クラスの地震が来たらこれでは収まらない」と話すのは三浦半島活断層調査会顧問で地質学者の蟹江康光さんだ。

 蟹江さんは「現在のハザードマップは国道が堤防になり、陸地側へは浸水がないように記されているが国道の高さは約3・5mしかなく、それより大きな波がくる可能性は充分ある」と警鐘を鳴らす。また蟹江さんによると三浦半島には東西に横断する断層帯がはしっており、「東京湾を震源とする直下型地震が起きる可能性もある」など数パターンの地震の可能性も示唆。「三浦半島の行政が共同でかつ早期にもっと詳しい調査をすべき」と促す。

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 今回の震災で被害が増大した要因の一つには津波が想定の範疇を超えていたことがあげられる。被災地では実際、行政の指定した避難所に退避して犠牲者がでたケースもあった。今回の震災を鑑みて、ハザードマップの見直しをするのも行政の重要な課題と言える。浸水域や避難経路の見直し、大潮時や観光シーズンに災害が起きた場合の想定など考えるべきことは多い。

 マップの改訂について市防災課では「ハザードマップは県の浸水予測を元にしているため、現在県に予測図の見直しを要望している段階」としているが、災害時の”想定”は市民や町民の命の鍵になる。市町レベルでも積極的な対応を期待したい。

 現行のハザードマップは市町のホームページからダウンロードできる。問合せは各防災担当係まで。
 

「津波への対策は三浦半島の行政が共同で取り組むべき」と地質学者の蟹江さん
「津波への対策は三浦半島の行政が共同で取り組むべき」と地質学者の蟹江さん

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