逗子の景観まちづくり瓦版 第三号
マチの緑は百難隠す長島 孝一
景観というと何か専門家や役所が考え行う特別な事だと思う人が多いようですが、実際はそんなに難しい事ではありません。
逗子は住宅地がマチの姿をつくっています。そのなかで昔から皆が素直に考え実行してきたのは、四季を通じて暑さや寒さ、自然の力と共生しながらどうやって快適に暮らせるかということでした。
その日常的な知恵が、年月とともに地域の総意として積み重なり、日常生活に根ざした自然体のまちづくり、景観づくりとなっていたのです。
私達は、モンスーン地帯の風土・気候の中で暮らしています。その中で逗子の海・山・平地の風土・気候が暮らしの環境をつくり、原風景となっていったのです。
原風景のなかでも最も身近で根源的な要素は”松のみどり”でした。一般に緑は目に優しいだけでなく健康な空気、松籟、日陰と涼風をもたらし、潮風から家を護ってくれます。不揃いな建物群でも充分な緑が周辺を覆っていれば気になりません。”マチの緑は百難隠す”からです。
いま逗子を歩いて気になるのは、マチの緑が少なくなっている事です。今在る樹木を残すだけでも景観、環境上大いに有効ですが、家の周囲の僅かな隙間でも樹木を植えれば、マチの表情は和らぎ、美しく好ましい景観に近づくのです。これは誰にでも出来る景観まちづくりの早道であり王道だと言えましょう。
瓦版第3号平成24年
12月13日発行より転載
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