逗子の景観まちづくり瓦版 第五十一号
「池子の森自然公園」へ及川 佳寿美
三月十九日、週末だけの限定で、池子の森自然公園が開園。翌日の日曜日、さっそく友人と連れだって散策してきました。わたしが「逗子」を初めて意識したのは池子の森を守る市民運動で、もちろん自分が逗子に住むとは考えたこともなく、テレビのなかの遠い世界のこととして見ていた記憶があります。
のんびりと住宅地を歩き、久木側の出入り口から、池子の森に初めて足を踏み入れました。少し歩くと、芝生の広場が目に入ります。広場というより、原っぱと呼びたい景色が広がっています。ヨシの茂みの向こうには小さな池。この日は生き物の姿を見ることができませんでしたが、メダカやクロヨシノボリがいるそうです。外来種の魚は現在のところ確認されておらず、これは東京近郊では貴重な池。水面を覗きながら、「ミドリガメや金魚や熱帯魚を放しちゃだめだよ」と、思わずつぶやくのでした。
さらに行くとあづま屋や休憩のできるベンチとテーブルもあります。そのうちに立ち入り制限のフェンスに突き当たったので引き返し、散策路に向かいます。入口あたりの苔が前日の雨を吸ってみずみずしく輝いていました。ときおり急なところもありましたが、十五分ほどの遊歩道は緑にあふれています。なんとも気持ちのよい散歩となりました。
池子の森はその歴史から、約七十年のあいだほとんど人の手が入っていないそうで、見渡せばだれもが懐かしいと感じられる風景が残っています。いつまでも原っぱは原っぱのままで、森は森のままであってほしいものです。池子の森の四季折々の樹木や花、生き物など自然を学ぶ勉強会や観察会が開催されれば、ぜひ参加したいなあ。
瓦版第51号平成28年
4月15日発行より転載
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