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逗子・葉山 教育

公開日:2022.02.04

磨いて繋げる善意のバトン
逗子の靴磨き職人が特別授業

  • 講師を務めた渡辺さん(最後列)

  • 真剣な表情で靴を磨く児童たち



 子どもたちに「靴磨き」を通じて、モノの大切さや他者を思いやる気持ちを育んでもらおうと1月27日、逗子小学校で特別授業が行われた。





 5年生のSDGs(国連が定めた持続可能な開発目標)について学ぶ総合学習の一環で、教壇に立ったのは専用洗剤とクロスを手に持った渡辺力さん。逗子5丁目で「SHOESHINE CHUM'S BAR」を営む靴磨き職人だ。





 渡辺さんは本業のかたわら、児童養護施設の後援会長になった知人の話をきっかけに、使わなくなった靴を集めて清掃・メンテナンスし、寄贈するプロジェクトを昨年から始めた。小学生の娘を持つ渡辺さんは「子どもの成長は早いので、使える靴でもすぐに履けなくなってしまう。自分の技術を生かして、必要としている人に繋げたいと思った」と語る。





 今回の授業では、同店で扱うフランスのシューケアブランドが趣旨に賛同し、クリーナーを提供。市内外から寄せられた靴のほか、児童たちの自宅の下駄箱に眠る靴を持参してもらった。「自分がもらって嬉しくなるくらいキレイにしよう」と渡辺さんが呼び掛けると、児童たちは真剣な様子で作業に没頭。新品のようによみがえった靴を前に笑顔を見せていた。後日、児童養護施設へ直接届けるという。





 渡辺さんは「使っていないものでも、磨くことで新たな価値が生まれると学んでもらえたら。靴磨き職人として、誰かの役に立てることをこれからもしていきたい」と話していた。

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