将棋の女子アマ王位戦全国大会で優勝した 小野 ゆかりさん 日本大学生物資源科学部2年
将棋は攻め、性格は前向き
○…女子アマチュア将棋のタイトル「女子アマ王位戦」で昨年12月、優勝に輝いた。各地区予選を勝ち抜いた8人によるトーナメント方式で争われた同大会。決勝は序盤から攻め込まれながら、終盤で大逆転をし勝利をもぎ取った。「内容は決して良いものではなかった。けれど、結果としてタイトルが取れたことは嬉しい」と目を細める。
○…小学校1年生のときに通っていた学童クラブで将棋と出会い、3年生で本格的に習い始めた。負けず嫌いで、「同じ教室に通う男の子やお父さんに負けるのが本当に悔しくて」と、その頃を思い出す。教室には週4日、学校が終わってから夕方まで将棋漬けの毎日を中学生まで送っていた。
○…東京都杉並区で生まれ育つ。一人っ子。動物が好きで、海洋動物を学びたいと日本大学生物資源科学部へ入学。「陸上の動物よりも、海の生物は神秘的に感じて興味をもった」という。自身の将棋を『攻めの将棋』と表現する。「受けが苦手」と苦笑いするが、その前向きな性格が将棋に反映されているのかもしれない。一昨年、女子大生の将棋団体「ライラック」を立ち上げた。数少ない女子棋士たちの交流場を作り、大会の手助けなども行っている。また、女性では初めて日本大学将棋部の部長を務め、ABと分かれるリーグで、BからAへの昇格を狙う。「そんなに表に出て引っ張るタイプではない」と謙遜するが、その前向きな姿勢に多くの仲間が集まって協力している。
○…それでも、将来は将棋で「プロになることは考えていない」ときっぱり。今後は、大学で好きな動物の研究をしたいという。将棋以外では、最近、星野源さんのライブに行って感動したのだとか。歌手や俳優などマルチに活動する星野さんは「かっこいい」と少し照れ笑い。これから、将棋や研究など、自身にとっても多彩な才能を発揮する日は近い。